六本木の国立新美術館のフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
赤ワインは素晴らしい造り手のもの。
ジャン・ルイ・シャーヴが造る、ジャン・ルイ・シャーヴ・コレクション、コート・デュ・ローヌ、モン・クール、2017年。
ジャン・ルイ・シャーヴはエルミタージュの魔術師と呼ばれ、パーカー・ポイント100点満点を三度も獲得している超人気の造り手。
シャーヴのワインがあまりに高価になってしまったため造られ始めたのが、購入ぶどうを使うコレクション・シリーズ。
購入ぶどうといっても、ビオディナミでの栽培はシャーヴの厳格な管理の下で行われ、醸造も熟成もシャーヴの下で行われているので、その品質は極めて高い。
色合いは黒に近い深紅。
カシス、プラム、ブラックチェリー、ブラックカラント、そして黒コショウのニュアンス。
強いがエレガントなタンニン。
しなやかで強靭なボディだ。
セパージュはシラー50%、グルナッシュ50%で、樹齢は20~60年。
コック・オー・ヴァン、骨付き鶏もも肉の赤ワイン煮、ポーチドエッグときのこのフリカッセと共に。
ソース・ヴァン・ルージュで煮込まれた鶏のもも肉は好物。
それにしてもヴォリュームが半端ない。
鶏肉にフリカッセのクリームソースを付けて食べても美味しい。
ポーチドエッグは赤ワインで煮られているので、ウッフ・アン・ムーレット。
アルフォンス・メロのサンセールと、ジャン・ルイ・シャーヴのコート・デュ・ローヌの並行飲み。
どちらも素晴らしいワインだ。
いちごのカルディナル風、軽いヴァシュランとフランボワーズのクーリー、ヴァニラ風味のアイスクリーム。
ヴァシュランは焼いたメレンゲに生クリーム、アイスクリーム、フルーツをあしらったスイーツで、リヨンの『ポール・ボキューズ』本店の定番デセール。
シャトー・デュモンが造る、サント・クロワ・デュモン、2011年。
サント・クロワ・デュモンはガロンヌ川を挟んだ、ソーテルヌの対岸にあり、ソーテルヌと同じく貴腐ワインの産地。
蜂蜜、アプリコットのコンフィチュールの濃厚な甘み。
高い樹齢のぶどうを用いているので、ミネラル感も豊か。
ぶどうはセミヨン100%。
甘い貴腐ワインはヴァシュランに良く合う。
今度は、コート・デュ・ローヌとサン・クロワ・デュモンの並行飲み。
これはちょっと無理がある。
ジャン・ルイ・シャーヴを先に飲み、シャトー・デュ・モンをゆっくり味わうことにする。
「今夜の料理もワインも素晴らしかったわね。植田シェフの料理は美味しくてヴォリュームがあって好きよ」と彼女。
「お陰で今夜も食べ過ぎ飲み過ぎだね」と私。
松尾支配人に見送られ、店をあとにする。
夜も更け、美術館は既に真っ暗。
窓の外に見えるブルーに光るビルは、六本木ヒルズ。
既にエントランスは閉じているので、小さな通用出入口から外に出る。
樹々の向こうには怪しく光る六本木ヒルズ。
左手に目を移すと、東京ミッドタウン六本木。
東京タワーは、インフィニティ・ダイヤモンドヴェール。
東京ミッドタウン六本木には、明るいイルミネーション。
何時ものとおり、プレッセ・プレミアムで彼女のためにサラダを幾つか購入。
夜も更け、サラダの種類が少なくなっている。
店内には、既にひな祭りのコーナー。
ここだけ春が訪れたようだ。
彼女と過ごす六本木の夜は楽しく更けていきました。