クリスマス・イヴに彼女と過ごす丸の内の『サンス・エ・サヴール』での素敵なランチの続き。
ここは、フランス、モンパルナスの三ツ星レストラン、『ル・ジャルダン・デ・サンス』の東京店。
白ワインはちょっと良いもの。
ロワールのソミュール・シャンピニーにある、ドメーヌ・デ・ロッシュ・ヌーヴが造る、ランソリット、2012年。
このドメーヌは1850年の設立。
それをティエリー・ジェルマンが1992年に取得。
ティエリー・ジェルマンはロワールのビオディナミの先駆者であり、高い評価を得ている生産者。
28haの畑を馬二頭と耕しているのだそうだ。
色合いは驚くほど濃い。
酸化が進んでいるのではと危惧したが、香りに問題はない。
口に含むと、圧倒的な果実味。
強いミネラルと綺麗な酸があるので、バランスの良いボディとなっている。
ぶどうはシュナン・ブラン100%で、栽培はもちろんビオディナミ。
名前の”Insolite”とは、”意外”、”異色”といった意味で、ソミュールでは珍しいシレックス土壌の畑のぶどうで造られていることからの命名。
三陸産帆立貝のグリエ、タイムの香るブールブランソース。
シャリュトリューズに漬けたイクラとチェリートマトのライスチップ。
赤ワインで炊き上げた香川県産裸麦と牛蒡のリゾット。
見た目にも美しい一皿。
帆立はプリプリでとても美味しく、裸麦のプチプチ感と相まって食感も素晴らしい。
やはりランソリットは美味い。
シャンパーニュをたっぷり飲んでいるが、白もグラスを重ねてしまう。
愛媛県産真鯛の蒸し焼き、ズッキーニとベーコンのオブール。
福岡県産王りんぎ茸、ヴァンジョーヌのソース、ヘーゼルナッツのクランブルを添えて。
ヴァンジョーヌとヘーゼルナッツの香りが食欲を誘う。
王リンギ茸は、新疆ウイグル自治区の天山山脈に自生する雪嶺茸とエリンギを交配させて作られた、福岡県大木町の「きのこの里」の特産品。
ランソリットと合わせて食べると、最高に美味。
メニューには書かれていないが、大きなムール貝が入っている。
これも贅沢な一皿。
赤ワインもとても良いもの。
スッドウエスト、マディランの帝王、アラン・ブリュモンが造る、シャトー・モンテュス、マディラン、キュヴェ・プレステージ、2000年。
アラン・ブリュモンはマディランの地ぶどう、タナを世界レベルにまで高めた人物で、この功績によりフランス最高勲章、レジオン・ドヌールを受勲している。
濃厚な果実味と熟成感。
熟したプラム、カシス、ビターチョコレート、タバコの葉のニュアンス。
タナの語源がタンニンというだけあってタンニンは強いが、果実味に綺麗に溶け込んでいて円やか。
さすがシャトー・モンテュスのキュヴェ・プレステージは素晴らしい。
ぶどうはタナ100%、新樽100%で14~16ヶ月間シュールリーで熟成されている。
北海道白糠町産蝦夷鹿のロティ、ジャガイモとタンタカチーズのパイアッソン、シヴェとヘーゼルナッツのクロケット、南瓜のピュレとキノコのソテー、グリオットチェリーとリコリスのレデュクション、ソースポワブラード。
白糠町の蝦夷鹿は、最高のブランド。
柔らかく肉の旨みが凝縮されている。
ランソリットとシャトー・モンテュスの並行飲み。
どちらも濃くて強く美味い。
マロンとカフェのブッシュ・ド・ノエル、甘酸っぱいカシスのメレンゲ、レモンのソルベのアクセント。
随分お洒落なブッシュ・ド・ノエルで木に見えないが、金の斧が付いている。
クリスマス気分が盛り上がるデセールだ。
「今日のお料理もワインもとっても美味しかった。楽しいクリスマス・イヴね」と彼女。
「クリスマス・ディナーはレストランも二部制になって落ち着いて食事ができないけど、ランチは寛いで食事ができるので狙い目だね」と私。
ミニャルディーズは何時もこの箱で出される。
和風の箱だが、蓋には『サンス・エ・サヴール』の名前。
お腹はいっぱいでも、美味しいのでミニャルディーズも完食。
マカロンはトリュフ味だった。
石井支配人に見送られ、店をあとにする。
丸ビルを出ると、新丸ビルに向かう。
彼女用のサラダを買うのが目的だが、その前に三階のスターウォーズとのコラボ企画、KAWAii UCHUを観に行く。
三階のアトリウムからは東京駅丸の内駅舎が良く見える。
これがKAWAii」UCHU。
丸ビルに較べ、新丸ビルはお子様向け。
地下一階に下りると、成城石井でお買い物。
まだ夕方早い時間なので、サラダの量も豊富。
彼女の朝食用のサラダを幾つか購入し、帰途に就く。
明日のクリスマスには別の企画があるので、その準備も必要だ。
彼女と過ごす丸の内での楽しいクリスマス・イヴでした。