彼女と広尾のイタリアンで待ち合わせ。
『トラットリア・ミケランジェロ』は、最近の彼女のお気に入り。
お店はこの階段を下った地下にある。
地下には、左右にダイニングルームが広がる。
開店と同時に入店したので、お店には一番乗り。
今夜のテーブルは右側の部屋。
壁にはイタリアの都市のポスター。
今夜はヴェネト料理のコース。
どんな料理に出会えるか楽しみだ。
彼女が到着し、スプマンテで乾杯。
ヴェネト州のトッレゼッラが造る、プロセッコ。
グレープフルーツやレモンの爽やかな香り。
青りんごや桃の果実味を持ち、豊かなミネラルがボディを引き締める。
ぶどうはグレーラ100%。
アンティパスト・ミストが届く。
左側の蒸し蟹は卵入りのセコガニで、オリーブオイルで和えられている。
真ん中はプレコーチェとゴルゴンゾーラのスペック巻き。
プレコーチェはトレビスの一種で、スペックは北イタリアの燻製生ハム。
右側のソプレッサは、ヴェネト州のニンニクが効いたサラミ。
取り分けるのは私の役目。
第二の前菜は、カステルフランコとフィノッキオのハガツオのサラダ。
カステルフランコはチコリーの一種で、美しい見た目から”チコリーの女王”と呼ばれている。
フィノッキオは、フランス語でフヌイユ、英語でフェンネル、日本語でウイキョウ。
柘榴の実が料理に一層の彩を与えている。
ヴェネト州のモンテ・デル・フラが造る、クストーザ、2018年。
豊かな果実味、綺麗な酸味、奥行きのある美味い白だ。
セパージュは複雑で、ガルガーネガ40%、トレッビアーノ20%、コルテーゼ20%、フリウラーノ10%、そしてシャルドネ、リースリング、マルヴァジアが合わせて10%。
第三の前菜が届く。
バッカラのコロッケ。
バッカラ=鱈は、スペイン語でバカラオ、ポルトガル語でバカリャウ。
ポルトガルではパスティス・デ・バカリャウ(干し鱈のコロッケ)はとてもポピュラーな料理。
鰯のカルピオーネと白ポレンタ、ヴェネツィア風。
カルピオーネは、フランスではエスカベーシュ、いわゆる南蛮漬け。
レーズンと松の実を入れるのがヴェネツィア風なのだそうだ。
茹で蛸。
蛸の上にはエシャロット。
ここでパスタ作りのパフォーマンス。
プリモ・ピアットで使う、ヴェネト州のビーゴリというパスタを伝統的な道具で作るのだそうだ。
丸い筒にパスタの種を入れ、ハンドルを回して押し込んでいくと、トコロテンのように下からひも状のパスタが出てくる。
かなり力を使うそうで、若い料理人も一休み。
これが出来上がったビーゴリ。
ヴェネトではそば粉で作るのだそうだが、今夜はセモリナ粉を用いている。
広尾のイタリアン、『トラットリア・ミケランジェロ』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。