丸の内パークビル、ブリックスクエアの『ムード・ボード』でのランチを終えると、三菱一号館美術館に向かう。
丸の内パークビルから中庭を横切り、美術館に入る。
茶目子さんにお誘いいただくまで、マリアノ・フォルチュニ(1871-1949)という服飾デザイナーは知らなかった。
服飾の歴史に疎い私でも、このフォルムのシルクのドレスは知っている。
ヴェネツィアのフォルチュニ美術館の全面的な協力を得て開催された大回顧展で、多くの部屋に分かれて数多くのドレスや絵画、設計図が展示されている。
一部屋だけ、隅の小さな四角いサークルの中からだけ写真撮影が認められている。
この黒のデルフォスが好きだ。
デルフォスは繊細なプリーツを施した絹のドレスで、この開発により、女性をコルセットの必要なドレスから解放し、女性の服飾に革命をもたらしたのだ。
またフォルチュニは画家、写真家、舞台装飾家、舞台照明家、そしてテキスタイルのデザイナー兼生産・販売者としても活躍した、多彩な人物なのだ。
ヴェネツィアの工場で製作された色々なデザインの布地は人気を集め、パリを始め世界の主要都市に店を構え、販売された。
そう、彼は実業家でもあるのだ。
今まで知らなかった服飾の歴史の一齣を学ぶことができた、貴重な美術鑑賞だった。
美術館の三階には展示室間の移動通路が窓に面しているところがある。
ほとんどの人がここで立ち止まり、ブリックスクエアの中庭を写真に収めている。
こちら側は丸の内パークビル。
先ほどまで食事をしていた三階のレストランフロアーが目の前に見える。
ブリックスクエアでは結婚記念写真の撮影がよく行われている。
今日のカップルも幸せいっぱい。
鑑賞を終えると、少し休憩することにする。
美術館出口の目の前にある、『マルゴ』のテラス席に着席。
スパークリング・ワインで乾杯。
そよ風が吹き抜け、気持ち良い。
飲んでいるワインは、メゾン・アンティッシュが造る、クレマン・ド・リムーの、『マルゴ』仕様。
メゾン・アンティッシュはラングドック・ルーションにあり、現当主は6代目。
セパージュは、シャルドネ70%、シュナン・ブラン15%、モーザック15%で、ぶどう栽培はリュット・レゾネ。
午後の遅い時間は中庭を行き交う人が少なくなるようだ。
中庭の反対側は、大名小路に面した入り口。
正面の白いビルは、三菱UFJ銀行本社で、その左側にはJPタワーKITTE。
さて、そろそろ出発することにしよう。
今夜は茶目子さんも私も別々の予定があるのだ。
丸の内での楽しい午後でした。