広尾のイタリアン、『トラットリア・ミケランジェロ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
赤もソムリエと相談し、ちょっと良いワインをボトルで注文。
スッドチロル、アルト・アディジェのアロイス・ラゲデールが造る、テヌータ・ラゲデール、リンデンバーグ、ラグレイン、2004年。
テヌータ・ラゲデールは、アロイス・ラゲデールが造るラインナップの中で最上級のクラス。
ぶどうはラグレイン100%で、有機栽培。
熟成はフレンチオークで18か月、新樽比率は1/3。
ラグレインは二人が好きなぶどうなのだ。
コルクの質がとても良く、状態も香りも上々。
熟したブラックベリーやプルーン、そして湿った黒土や腐葉土のニュアンスも。
しっかりとした果実の熟成感とこなれたタンニンが心地よい。
プリモ・ピアットが二皿届いた。
リゾットは撮影前に取り分けてしまった。
リゾット・ポルチーニ。
卵黄と味噌が隠し味に加えられている。
ポルチーニの香りが素晴らしい。
焼いたフレッシュ・ポルチーニも添えられている。
使われているのは、このフレッシュ・ポルチーニ。
もう一皿は、イノシシ肉のサルシッチャのウンブリケッリ。
モチモチの手打ちのウンブリアのパスタ、ウンブリケッリが美味い。
メイン料理は一人一皿。
二種の肉料理が盛られている。
ホロホロ鳥のギオッタ。
ギオッタは、鶏レバーに生ハムや香草、ビネガーを加えた、ウンブリア州の伝統ソース。
和牛のポルペットーネ、きのこソース。
ポルペットーネとは、大きなポルペット(肉団子)という意味。
つまり、ハンバーグみたいなもの。
これは赤ワインに良く合って美味い。
ホロホロ鳥は骨付き。
香ばしく焼かれた肉が美味い。
きのこのソースは、フォン・ド・ヴォーにきのこを加えている。
今夜のワインは大当たり。
「ラグレインの2004年なんて最高ね。今夜も楽しいわ」と彼女も嬉しそう。
最後の一杯を飲み干すと、あとには細かい澱が残った。
ロッチャータ・アッシジ。
りんごとナッツのパイ。
熱々のパイに、温かなチョコレートが掛けられている。
パイの上には、ピスタチオのクランチ。
美味しいだけでなく、ヴォリュームもたっぷり。
バニラアイスの上には、乾燥させたりんごのスライス。
彼女の食後の飲み物はコーヒー。
私はカモミールティー。
「お料理は美味しいしヴォリュームたっぷりで好きだわ。ねぇ、また近い内に来ましょうよ」と彼女。
「今夜は満席でお忙しそうなので、新村料理長には次回来た時に挨拶することにしよう」と私。
マネジャーの酒巻さんに見送られ、店をあとにする。
一階にあるのは、『カフェ・ミケランジェロ』。
ここはカフェ・ブームの火付け役、『カフェ・デ・プレ』があった場所。
その後、『ブラッスリー ポール・ボキューズ広尾』になり、次に『ソムリエズ・ハウス』になり、しばらく閉鎖された後、再び『カフェ・デ・プレ』としてオープン。
そして昨年秋に再び閉じ、そして今年の4月、『カフェ・ミケランジェロ』として再開した。
彼女が外苑西通りの向かい側を指さし、「あそこに寄っていい?」とのこと。
時間も遅く外苑西通りには人影も少ないが、サラダやサンドイッチが豊富に揃っている。
彼女のために朝食用のサラダを幾つか購入し、帰途に就く。
彼女と過ごす広尾の夜は楽しく更けていきました。