ドゥブロヴニクの旅の記事はちょっとお休み。
昨年の晩秋のこと、六本木のレストランで彼女と待ち合わせ。
場所は東京ミッドタウン六本木。
ギャレリアを通り抜け、ガーデンテラスに向かう。
ガーデンテラスの最上階にある『フィリップ・ミル東京』が今夜のお店。
フランス、ランスの二つ星レストラン、『レ・クレイエール』の総料理長、フィリップ・ミル氏が日本で初めて開いたお店である。
入り口では中田支配人が私を迎えようと待っていてくれる。
今夜の席は、ダイニング・ルームの一番奥、窓際のテーブル。
友人ご夫妻達との楽しいディナー会。
私が一番乗りとなり、アペリティフを飲みながら待つ。
窓の外には広いテラス。
オリーブの木に照明が当てられ、美しく輝く。
今夜のアペリティフは、シェリー・モヒート。
彼女が到着し、アペリティフで乾杯。
このミントの葉は、テラスで育てたものを今日摘んだのだそうだ。
プティ・サレも届く。
青海苔のフライの上には、鱈のムース。
竹串を刺したものは、牛テールのクロケット。
テーブルの上には、カランの花。
そしてシャンパーニュのミュズレで作られた、小さなオブジェ。
これを見ると、ここがランスを本拠地とするレストランであることを思い出す。
熱々のバゲットが届く。
この淡いピンクのパン皿が好きだ。
友人ご夫妻も到着し、テーブルが賑やかになる。
白ワインは、彼女が好きな銘柄。
ボルドー、ソーテルヌの、クロ・デ・リュンヌ、リュンヌ・ダルジャン、2014年。
ペサック・レオニャンの銘醸、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのベルナール家がソーテルヌで造る辛口の白。
全員が揃ったところで、改めて乾杯。
果実味、酸、ミネラルのどれをとっても申し分なく、綺麗なバランス。
辛口に仕上がっているが、果実の旨味も豊か。
実は、貴腐葡萄が少し配合されているのだ。
セパージュは、セミヨン70%、ソーヴィニヨン・ブラン30%。
このワインのファースト・ヴィンテージは2012年。
2013VTもあるが、2014VTの方が熟成が早いので、2014VTを選択。
タスマニアサーモンとマスタードのアクセント、スパイス香るランティーユ、キャビア見立て。
キャビアの缶に入れて出されたのは、ランティーユ=レンズ豆。
シャンパーニュ産のランティーユには、シャンパーニュのゼリー。
光っているのは、金箔。
スプーンで掬うと、ランティーユの下には、みじん切りにされたサーモン。
薄切りにしたパン・ド・カンパーニュに乗せて食べると美味い。
次の白ワインも、彼女が好きな銘柄。
ロワールの名門、ドゥ・ラドゥセットが造る、プイィ・フュメ、2009年。
ラドゥセット男爵が率いるシャトーのプイィ・フュメは美味い。
樽を使わないソーヴィニヨン・ブランのピュアな果実味が素晴らしい。
2009年なので熟成感が出ているが、まだまだミネラルが活き活きとして若々しいのが驚き。
白ワイン二種の飲み較べ。
右がソーテルヌのリュンヌ・ダルジャン、左がロワールのプイィ・フュメ。
北海道産帆立貝のポワレ、高農園のズッキーニ、クレソンのソースと柑橘の香り。
クレソンのソースは、クレソンのピューレにシャンパンソースを合わせて作ったもの。
緑の色彩が美しい。
大粒の帆立は、ジューシーで旨味が詰まっている。
彼女と友人達と過ごす、六本木のフレンチ、『フィリップ・ミル』での素敵な夜は続きます。