八月のこと、彼女と”何時ものフレンチ”で待ち合わせ。
何時ものように、銀座駅から松屋銀座方面に地下通路を歩く。
松屋銀座の中から地上に出ると、マロニエ通りに進む。
プランタン銀座が撤退し、左の本館はマロニエゲート2、右の別館はマロニエゲート3になった。
その奥に見えている高いビルがマロニエゲート1で、今夜のお店のあるところ。
マロニエゲート2のモンソー・フルールだけがパリの雰囲気を残している。
広いお店は今夜も満席のようだ。
厨房では料理人たちが忙しく準備を進めている。
外はまだ明るく、東京交通会館と有楽町丸井が見える。
テーブルには何時ものセッティング。
何時ものバゲットもセットされている。
彼女が到着し、席を立って迎える。
最初のワインは、彼女が好きなもの。
ヴーヴ・アンバルが造る、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット・ロゼ、ミレジム、2016年。
「あら、今夜はヴーヴ・アンバルのロゼなのね」と彼女は嬉しそう。
勢いのある泡立ち。
フランボワーズの甘い香り。
綺麗な果実味、熟成感を持ちながら、切れのある辛口。
ヴーヴ・アンバルのクレマンは本当に美味い。
クレマンを飲んでいると、星野料理長が挨拶に来てくれた。
今夜の料理について、いろいろ話を伺う楽しい時間。
アンダルシア風ガスパチョ、海の幸のクロケット。
星野料理長曰く、「何だかスペイン料理みたいですが」と言われたが、暑い夏には冷たいガスパチョが美味い。
この器は可愛いので好きだ。
クロケットの中には、エビ、イカ、タコ、生姜、ニンニクと各種のハーブ。
今日、新鮮なオカヒジキが手に入ったとのことで、クロケットに添えられている。
前菜も美味しく、クレマン・ロゼをどんどん飲んでしまう。
確かこれで四杯目。
白ワインも彼女が好きな銘柄。
ボルドー、ソーテルヌの、クロ・デ・リュンヌ、キュヴェ・リュンヌ・ダルジャン、2012年。
ペサック・レオニャンの銘醸、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのベルナール家がソーテルヌで造る辛口の白。
このワインのファースト・ヴィンテージは2012年。
2012年は熟成が進みとても美味しかったが、もう切れてないはず。
他のお店では2014年になっている。
竹内支配人に聞いてみると、少量残っていたものを確保しておいたのだそうだ。
その2012年をありがたくいただく。
鱸のポワレ、ホウレン草のエチュベとローストトマトと共に、ハーブの効いたソース・ベアルネーズ。
実はこの料理は、リヨンの『ポール・ボキューズ』本店のスペシャリティ、鱸のパイ包み焼きのオマージュ。
鱸のポワレが乗っているのは、デルモンテの完熟トマトをローストしたもの。
ここにも遊び心が。
『ポール・ボキューズ』のスペシャリティ、鱸のパイ包み焼きのソースは、ソース・ショロン。
実はソース・ベアルネーズにトマトピュレを加えると、ソース・ショロンになるのだ。
こうして鱸のポワレを切ると、トマトとソース・ベアルネーズが混ざり、ソース・ショロンになった。
鱸のポワレの上にのっているのは、山ミョウガを低温の油で調理したコンフィ。
”何時ものフレンチ”、『ブラッスリー ポール・ボキューズ銀座』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。



















