ウィーンの美術史博物館で彼女と過ごす楽しい午後の続き。
ベラスケス、カラヴァッジョ、ティツィアーノ、ラファエロ、ブリューゲルと観た後、次の部屋に進む。
この絵はドイツの画家、ハンス・フォン・アーヘンの作品。
「タルクィニウスとルクレティア」。
イタリアの画家、アルティンボルドの作品もある。
ここまで絵が多いと、集中力を保つのが難しい。
でも、素晴らしい作品の数々のなかに知っている作品を見付けると嬉しくなるので、一つ一つ丁寧に観て回る。
フェルメールを見付けた。
「絵画芸術」の女性のドレスにも、フェルメール・ブルーと呼ばれるラピスラズリが使われている。
オランダの画家、マリア・ファン・オーステルウィックの作品、「ヴァニタス」。
彼女の静物画は好きだ。
いよいよルーベンスの部屋に来た。
ピーテル・パウル・ルーベンスの「自画像」。
「林檎の木の下の聖家族」。
「凍えるビーナス」。
この絵の題名は知らない。
「聖フランシスコ・ザビエルの奇蹟」。
「メデューサの頭部」。
観ても観ても、絵画は尽きない。
各部屋の真ん中には大きなソファが置かれているので、座って鑑賞している人も多い。
あれ、またイタリアのルネサンス期に戻ってしまった。
ティントレットの「スザンナの入浴」。
こちらもティントレットの「セバスティアーノ・ヴェニエル」。
ヴェネツィア共和国の元首の肖像画だ。
39室を全て観終わると、かなり疲れる。
この壮麗な階段を下り、一階に戻る。
踊り場には、白大理石の素晴らしい彫刻。
「一階はギリシャ、ローマ、エジプトのコレクションなんだって。観てみましょうよ」と彼女。
私は二階の絵画だけで充分だったが、仕方が無いので彼女のあとに付いていく。
エジプトの石棺や木棺がずらりと並ぶ。
石棺の内部の壁にも絵が彫られている。
そして蓋にもびっしりと文字が刻まれている。
ロンドンの大英博物館や他の西洋の博物館では何時も思うが、こんな重い物をよくもまあエジプトから持ち帰ったものだ。
世界中にこんなコレクションがあるということは、エジプトには一体どのくらいの数のミイラが埋葬されていたのだろうか。
ここの石像はどれも保存状態が良く、美しい。
これはローマ時代のレリーフなのだろうか。
疲れてしまい、集中力が無くなっている。
ギリシャ時代の彫像もある。
さて、そろそろ美術史博物館を出て次の目的地に向かうとしよう。
彼女と過ごすウィーンの一日は続きます。