六月の事、彼女と銀座でお買い物。
お買い物のあとは、ディナーに向かう。
数寄屋橋交差点から外堀通りを通ってマロニエゲートギンザに行くことは初めてかもしれない。
何時もは銀座通り(中央通り)からマロニエ通りを通っている。
今夜のディナーは”何時ものフレンチ”、『ブラッスリー ポール・ボキューズ銀座』。
窓から数寄屋橋方面を望む。
今まではこの時間だと首都高や外堀通りを走る車のヘッドライトやテールランプが光っていたが、陽が長くなりどの車もまだ無灯火で走っている。
開店後すぐに入店したので、先客は一組だけ。
これが30分後には客で埋まり、華やかな雰囲気に変わる。
何時ものセッティング。
そして何時ものバゲット。
竹内支配人がアペリティフを届けてくれる。
今夜のアペリティフは、スーズをトニックウォーターで割ったカクテル。
完熟トマトのソルベとモッツァレラチーズのムースリーヌ、フォンドエピスのジュレ、白胡麻のテュイール、バジルの香り。
トマトのソルベは、完熟感を出すため、トマトにパイナップル、蜂蜜、オリーブオイル等が加えられている。
白いムースは、モッツアレラチーズと生クリームを合わせてムースにしたもの。
白胡麻のチュイーユがのせられ、ソルベの周りにはフォンドエピスのジュレ。
この小さなカクテルグラスの中に、多くの食材が詰め込まれ、素晴らしい味わいを生み出している。
スーズのカクテルが美味しいので、二杯目。
これがスーズのリキュール。
オーベルニュ地方のリキュールで、リンドウ科のゲンチアナの根が主成分。
消化促進効果があると言われている。
白ワインは、彼女が好きな銘柄。
ロワールのアルフォンス・メロがコトー・シャリトワで造る、レ・ペニタン、コート・ド・ラ・シャリテ、2009年。
コトー・シャリトワはロワールのサンセールとブルゴーニュのシャブリの中間にある地区。
昔はワイン産地だったがフィロキセラ禍で全滅し、ワイン産地地図から消えた地区。
そのためA.O.C.は無く、このワインもI.G.P.となっているが、中身は素晴らしいシャルドネである。
「レ・ペニタンは本当に美味しくて好きよ。でも、さすがに2009年はピークを過ぎてしまったわね」と彼女。
「2009年はもう在庫が無いと聞いていたけど、残っていたとは驚きだね。実は僕も1本持っているから、早く一緒に飲もうね」と私。
三陸産天然鱸のポワレ、アーティチョークのピューレ、爽やかなオレンジ風味のブールブランソース。
鱸のポワレにはブールブランソースがかけられ、下にはアーティチョークのピューレ。
星野料理長は複数のソースやピューレを組み合わせた使い方が上手い。
肉厚の鱸はとてもジューシー。
添えられているのは、茄子とベーコンのフリット。
レ・ペニタンが美味しいのでグラスを重ね、これで三杯目。
銀座の”何時ものフレンチ”、『ブラッスリー ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。