銀座の何時ものフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
赤ワインは、スッド・ウエストのアラン・ブリュモンが造る、シャトー・ラロッシュ・ブリュモン、レグリース、2008年。
アラン・ブリュモンはマディランを代表する造り手で、地ぶどうのタナから造られるワインを世界レベルにまで引き上げた人物。
その功績で、フランス最高勲章、レジョン・ドヌールを受勲している。
裏ラベルには、説明書きがフランス語と英語の両方で併記されている。
このワインはタナとカベルネ・フランから造られ、二つの畑、エグリースとグランジュのワインをブレンドしているのだそうだ。
濃く不透明なガーネット。
強い果実味と強いタンニン。
カシス、ブラックベリー、プラム、スパイスのニュアンス。
濃厚ではあるが、酸も持っているので洗練されたバランスのボディ。
セパージュは公表されていないが、竹内支配人兼ソムリエによると、タナが60%、カベルネ・フランが40%くらいではないかとのこと。
最近は、赤と白を同時に飲むことが気に入っている。
白は、ロワールのドゥ・ラドゥセットが造る、プイィ・フュメ、2009年。
ハンガリー産鴨もも肉の赤ワイン煮込み、季節野菜、マッシュルーム風味のバトンを添えて。
星野料理長によると、この鴨は硬くならないように、低温(68℃)で6時間煮込んだそうだ。
皿の上のバトンは太めのグリッシーニのように見えるが、小麦粉の皮でマッシュルームと生ハムを巻いて焼いたもの。
鴨にはもっと軽い赤が合うのかと思っていたが、鴨腿肉の赤ワイン煮込みにはアラン・ブリュモンのワインが良く合う。
赤ワインも既に四杯目。
彼女はアラン・ブリュモンのタナ100%のワインは苦手だが、カベルネ・フランをマリアージュすることによってよりマイルドで洗練されたボディのラロッシュ・ブリュモン、レグリースは美味しいとのこと。
ディジェスティフは貴腐ワイン。
サント・クロワ・デュモンのシャトー・デュモン、2011年。
サント・クロワ・デュモンは、ガロンヌ川を挟んだソーテルヌの対岸。
ソーテルヌに近似するテロワールを持ち、良質の貴腐ワインを産している。
蜂蜜や果物の砂糖漬けの甘いニュアンス。
美味しいが、デザートワインは一杯で充分。
と思ったら、よそ見をしている間に二杯目を注がれてしまった。
もう少しシャトー・ラロッシュ・ブリュモンをもらい、並行飲み。
デセールは、”チーズタルト”カフェオレのアイスクリームと一緒に。
チーズタルトにはクリームチーズ、パルメザン・レッジャーノ、カマンベールがたっぷり使われていて濃厚で美味い。
カフェオレのアイスクリームは、茶色いマーブルのような色合い。
フレンチのフルコースのあとに飲むコーヒーは美味い。
コーヒーが届くと、彼女が一口飲んだだけのシャトー・デュモンが私の前に置かれる。
彼女はデザートワインが苦手なのだ。
一杯で充分と言いながら、結局三杯飲んでしまった。
コーヒーのお供はミルクとラ・ペルーシュ。
ラ・ペルーシュは、インド洋にあるフランス領レユニオン島でサトウキビから作られる、プレミアムな砂糖。
普段はコ-ヒーには何も入れないが、今夜はミルクを入れて飲むことに。
「今夜の星野さんのお料理は美味しかったわ。よくこれだけ色々なアイデアが湧くと感心するわね」と彼女。
星野シェフがテーブルに挨拶に現れたので彼女の感想を伝え、今夜の礼を述べて店をあとにする。
マロニエゲート1を出ると、何時ものとおりファミマで彼女の朝食用のサラダを購入。
今夜は銀座マリオン方向に、食後の散策。
マリオンの中を通り抜け、数寄屋橋に向かう。
銀座東急プラザを見ながら、四丁目方面に歩を進める。
何時もは明るすぎてハレーションを起こし、BALLYの文字が見えないが、何故か今夜は綺麗に撮影できた。
彼女と過ごす銀座の夜は素敵に更けていきました。