5月初めのこと、丸の内でお買い物。
買い物を済ませると、東京国際フォーラムを抜け有楽町に向かう。
有楽町駅を銀座側に渡ると、目の前には東京交通会館。
その奥には、丸井が入るイトシア。
ちょっと時間があったので東京交通会館内を一巡り。
この『大阪百貨店』では、たこ焼きでハイボールを飲んでみたいと思っているが、一人で入るのは気が引ける。
東京交通会館を抜けて向かったのは、今夜の目的の場所、マロニエゲートギンザ1。
その10階にあるのが今夜の待ち合わせの場所、何時ものフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ銀座』。
昨年、このポール・ボキューズのマークを越えたのは19回。
今年は何回になるだろう。
開店と同時に入ったので、広い店内に他に客は居ない。
窓の外、右手には先程まで居た東京交通会館、そして左手には丸井。
天井からぶら下がる筆のような装飾は、いったい誰のデザインなのだろうと何時も思う。
彼女が到着し、急いで席を立ち、彼女の椅子を引いて待つ。
早速、今夜のアペリティフ、ソル・クバーノで乾杯。
”キューバの太陽”という名のカクテルで、ラムとグレープフルーツジュースを等量に混ぜ、トニックウォーターで割ったもの。
テーブルにはバゲットがセットされている。
フランスから生地を冷凍で輸入し、ここで焼き上げている。
前菜は、小烏賊のマリネと茄子 トマトのサラダ仕立て 柑橘の香り、ジェノベーゼとバルサミコのアクセント。
アペリティフが美味しいので、既に三杯目。
黄色いソースは、オレンジジュースを煮込んだソース。
オレンジも添えられ、柑橘の香りが素晴らしい。
緑の点はジェノベーゼ、黒い点はバルサミコ。
小烏賊のマリネ、茄子、トマトには鷹の爪とニンニクが利き、とても美味い。
星野料理長曰く、イタリア風フレンチの一皿。
「このカクテル、爽やかで美味しいわね」と彼女。
でも、二人ともアペリティフを三杯は飲み過ぎ。
白ワインは、二人が好きなロワールの造り手、ドゥ・ラドゥセットのプイィ・フュメ、2009年。
ラドゥセット男爵率いるドメーヌは200年以上の歴史を有するロワール最大の造り手で、プイィ・フュメの半分以上を生産している。
豊かな果実味と、活き活きとした酸とミネラルのバランスが素晴らしい。
2009年だがまだ若さを感じる素晴らしいボディだ。
「ラドゥセットのソーヴィニヨン・ブランは本当に美味しいわね。ねえ、またバロン・ド・エルを飲みましょうよ」と彼女。
バロン・ド・エルはラドゥセットのフラッグシップ・ワインで、確かに世界最高のソーヴィニヨン・ブランだが、それなりに値も張るので迂闊に「そうだね」とは応えられない。
八海山サーモンのムニエル、グルノーブル風。
ちぢみほうれん草のエチュベ、ジャガイモのピューレと共に。
八海山サーモンは、八海山の雪解け水で育てられた大型のニジマス。
周りは、ノワゼット(ヘーゼルナッツ)の香りを付けたミルクの泡。
ドゥ・ラドゥセットのプイィ・フュメはバロン・ド・エルでなくても充分に美味しい。
このワインを飲むのは半年ぶりなので、どんどんグラスを重ねてしまう。
銀座の何時ものフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。