四月末のこと、彼女と六本木ヒルズで待ち合わせると車で西麻布に向かう。
向かった先は、”もうひとつの何時ものフレンチ”、『レストランひらまつ レゼルヴ』。
何時ものとおり母子像と天使の像に迎えられ、二階のレセプションへ繋がる白大理石の階段を上る。
レセプションで坂元支配人に迎えられると、レトロなエレベーターで三階のメイン・ダイニングに案内される。
テーブルは、何時もとは反対側、ベルナール・ビュフェの絵の真下。
今夜のディナーのテーマは、ジュラ地方。
そこで乾杯のスパークリングも、クレマン・デュ・ジュラ。
マルセル・カブリエ、クレマン・デュ・ジュラ、ブリュット。
マルセル・カブリエは、ジュラ最大のワイン生産者、ラ・メゾン・デュ・ヴィニュロンが造るクレマンのブランド。
グレープフルーツ、レモン、青リンゴのフレッシュな香り。
しっかりとした果実味を持ち、後味の切れが良い辛口。
シャンパン製法で造られ、ぶどうはシャルドネ100%。
前菜は、北海道産グリーンアスパラガスのリュバン、サングレのムースとウフブイイ。
リュバンとはリボンのこと。
薄くスライスしたアスパラガスをリボンに見立てている。
アスパラガスの下には、サングレのムース。
サングレは、モンドールと同じ製法のジュラのチーズ。
ウフブイイは、スクランブルドエッグのようなもの。
白ワインは、ブルゴーニュ、コート・シャロネーズのクローディ・ジョバールが造る、リュリー、モンターニュ・ラ・フォリ、2011年。
昨年までは2009年VTだったが、今年からは2011年VTに切り替わっている。
7年余りの熟成を経て、色合いは黄金色。
豊かな果実香に熟成からくるエステル香が混じる。
パッションフルーツ、カリン、洋梨のニュアンスを持ち、果実の凝縮感とミネラルが素晴らしい。
クローディ・ジョバールのシャルドネは本当に美味い。
今夜のパンはバゲット。
焼きがしっかりとしていて、皮はパリパリ、中はしっとり。
魚料理は、桜鱒のミキュイ、春野菜のタブレ、ヴェルモットのムースリーヌ。
春になると、桜鱒がよく登場する。
ヴェルモットの香りが心地良い。
クローディのシャルドネが美味しいので、どんどんグラスを重ねてしまう。
西麻布の”もうひとつの何時ものフレンチ”、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。