六本木の素敵な一軒家フレンチ、『オーベルジュ・ド・リル トーキョー』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
ここはアルザスで長年にわたってミシュラン三ツ星を維持し続ける、『オーベルジュ・ド・リル』の東京店。
飲んでいるワインは、アルザスのドメーヌ・ヴァインバックが造る、リースリング、キュヴェ・サント・カトリーヌ、2011年。
こんな素晴らしいリースリングを飲む機会はそうはない。
美味しいのでどんどんグラスを重ね、もう四杯目。
桜鱒のソテー、赤ワインのコルセ、蛍烏賊と筍のコンフィを添えて。
コルセはフォン・ド・ボーを煮詰めたもの。
桜鱒は、まさに春の食材だ。
赤ワインは、ボルドー。
クロ・ドゥ・ラ・キュール、サンテミリオン・グラン・クリュ、2006年。
サンテミリオンのワインは彼女のお気に入り。
ベルベットのような肉厚の果実味、重厚な熟成感、円やかなタンニン、素晴らしい芳醇なボディだ。
セパージュは、メルロー75%、カベルネ・フラン25%。
アルザスの素晴らしいリースリングとサンテミリオン・グラン・クリュの飲み較べも楽しい。
それにしても、今夜は少々飲み過ぎ。
仔牛ロース肉とリ・ド・ヴォーのポワレ、グリーンアスパラガスとモリーユ茸のフリカッセ。
フリカッセは、バターと玉ねぎを使った白いソース煮込み。
仔牛肉の焼き色が好い。
下に少し見えているのが、リ・ド・ヴォーのポワレ。
もうひとつ、リ・ド・ヴォーのポワレ。
リ・ド・ヴォーもモリーユ茸も好物。
ディジェスティフは、ソーテルヌの貴腐ワイン、シャトー・ド・レイヌ・ヴィニョー、2009年。
ソーテルヌの上品な甘さにいっぱいになった胃が癒される。
素晴らしい果実の熟成感、マンゴー、アンズ、蜂蜜のニュアンスのあとには、ミントのヒント。
100%オーク樽で18カ月間熟成。
セパージュは、セミヨン90%、ソーヴィニヨン・ブラン10%。
プレデセールは、柑橘のソルベ。
柚子の香りが素晴らしい。
アプリコットのコンフィー、蜂蜜のアイスクリームとパンデピス(パン・デ・エピス)のミルフィーユ仕立て、アーモンドの香るソースを添えて。
蜂蜜のアイスクリームを挟んでいるパンデピスは、香辛料のパン。
食後の〆は、コーヒー。
濃厚なコーヒーが美味い。
お腹はいっぱいだが、ミニャルディーズまで完食。
「やっぱりオーベルジュ・ド・リルは料理もワインも素晴らしいわね。今夜もありがとう」と彼女。
「オーベルジュ・ド・リルはとても素敵だから、君にお似合いだね」と私。
犬飼支配人、石原ソムリエに見送られ、満ち足りた思いで店をあとにする。
店を出ると、六本木通りを渡って六本木ヒルズに向かう。
ウエストウォークに入ってみたが、店はもう閉まっている。
66プラザには、何時もの通りの東京タワー。
そして何時ものとおり、成城石井で彼女の朝食用のサラダを購入。
彼女と過ごす六本木の夜は素敵に更けていきました。