銀座の何時ものフレンチ、『ブラッスリー ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
白ワインを飲み干すと、ここのセラーにキープしている赤ワインを抜栓。
モンジャール・ミュニュレが造る、ヴォーヌ・ロマネ、2006年。
このヴォーヌ・ロマネは、ここのセラーに5本キープしておいたが、とうとうこれが最後の一本になってしまった。
コルクの状態はとても良い。
フランボワーズやチェリーの香り。
薔薇、スミレ、紅茶、そして腐葉土や鉄のニュアンス。
果実味、酸、そしてこなれたタンニンのバランスが素晴らしい。
やはりモンジャール・ミュニュレのヴォーヌ・ロマネは美味い。
彼女はサーモンが好きなので、メニューにあるノルウェー産サーモンのエスカロップ、オゼイユ風味、リコッタチーズとほうれん草のラビオリを注文。
「この料理はもう何度か食べたので、サーモンを使った違う料理を食べたいわ」と彼女。
すると彼女の希望を叶え、星野料理長がサーモンの別の料理を作ってくれたのだ。
サーモンのミキュイ、ブールブランソース。
サーモンの下には、ほうれん草。
黒オリーブが良いアクセントになっている。
肉料理は何にしようかと考えていると、「マグレ鴨も用意してあります」との料理長からのメッセージ。
マグレ鴨のロースト、茄子のグラタン添え。
星野料理長によると、私達の予約が入るとマグレ鴨を仕入れておき、注文があっても対応できるようにしてくれているのだそうだ。
茄子のグラタンもとても美味い。
最後の一杯になってしまった。
ピノ・ノワールは赤ワインでも光を通すので、綺麗な像が浮かび上がる。
キープしていた5本の内、2本は友人達と飲み、3本は彼女と一緒に飲んだ。
また良いワインを探し、ここにキープしてもらうことにしよう。
今夜は料理のヴォリュームがあったので、二人ともデセールはパス。
「今夜はお魚料理もお肉料理も、そしてワインも特別だったわね。ありがとう」と彼女。
「君の我儘を聞いてくれるお店は貴重だよ」と私。
星野料理長にお礼を述べ、竹内支配人に見送られて店をあとにする。
マロニエゲートギンザ1を出ると、何時ものように有楽町駅のファミマに行き、彼女の朝食用のサラダを幾つか購入。
今の季節は東京交通会館のイルミネーションが一際目立つ。
マロニエゲートギンザ1まで戻り、マロニエ通りに入る。
モンソーフルールの店頭には、夜になっても色とりどりの花が並ぶ。
こんな時間でも花を買い求める人が居るのは、いかにも銀座らしい。
今夜は銀座通りにも人出が多いようだ。
銀座四丁目交差点まで来た。
銀座プレイスには素敵なお店が幾つも入っている。
銀座のビルがどんどん近代化される中で、銀座和光にだけは何時までもこの姿を守ってもらいたいものだ。
彼女と過ごす銀座の夜は素敵に更けていきました。