一月末のこと、彼女と六本木ヒルズで待ち合わせ。
車に乗り、西麻布に向かう。
向かった先は二人が大好きな”もうひとつの何時ものフレンチ”、『レストランひらまつ レゼルヴ』。
お気に入りで毎月のように訪問し、昨年は15回来ている。
母子像と天使の像に迎えられ、白大理石の階段を上りレセプションに向かう。
坂元支配人に迎えられ、何時ものセルヴーズに案内されてレトロなエレベーターで三階のメイン・ダイニングに進み、何時ものテーブルに着席する。
最初はロゼのスパークリングで乾杯。
彼女が大好きな、ヴーヴ・アンバル、グラン・キュヴェ、ブリュット・ロゼ。
ラズベリーやストロベリーの甘い香り。
口に含むと、白ぶどうの切れの良さと黒ぶどうのコクのある果実味の素晴らしいハーモニー。
今まで数限りなく飲んでいるが、やはり美味い。
テーブルにはバターのセッティング。
皮はパリッと中はしっとりと、ここのバゲットは美味い。
フランスで作られた生地を冷凍で輸入し、ここで焼いている。
テーブル上には、パリの小物。
今夜はエッフェル塔。
エッフェル塔と一緒にクレマン・ド・ブルゴーニュのグラスを撮影。
大好きなロゼなので、このグラスで4杯目。
鴨腿肉のコンフィ、グリンピースのムースと白髭葱、コニャックの香り。
鴨腿肉のコンフィといっても、フレンチだとこんなに美しい料理になる。
「パリのレストラン・ミュゼ・ドルセーでも同じ料理を食べたけど、あの時はブルーで大きさは数倍あったわね」と彼女。
「上に乗っていたのがブルーポテトだったからね。これはガスコーニュ地方の郷土料理なんだけど、確かにこのお皿の窪み全部くらいの大きさだったね」と私。
参考までに、これがオルセー美術館の『レストラン・ミュゼ・ドルセー』で食べた鴨のコンフィ。
直径は10数センチほどもある。
鴨のコンフィの上のグリーンピースのムースの色が美しい。
白ワインも彼女が好きなもの。
クロ・デ・リュンヌ、リュンヌ・ダルジャン、2013年。
ペサック・レオニャンの銘醸、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのベルナール家がソーテルヌで造る辛口の白。
2012年がファースト・ヴィンテージで、2013年を飲むのは初めて。
グレープフルーツやライチの香り。
豊かなミネラル感や果実味、パッションフルーツや蜜りんごのニュアンスは12年と同じだが、13年は酸が強く、まだまだ熟成させたいワインだ。
田中ソムリエールと意見交換すると、今回は13年を用意したが、14年の方が酸が少ないので早飲みなのだそうだ。
セパージュはセミヨン70%、ソーヴィニヨン・ブラン30%で、少量の貴腐ぶどうがブレンドされている。
魚料理は、寒ブリのローストと小蕪のポトフ、木の芽の香るソースベアルネーズ。
鰤と蕪という地味な色合いに、ベアルネーズソースが鮮やかな彩を添えている。
鰤は脂がのった10kg級の大物を使っているそうだ。
スープを加えることにより、鰤の身をよりジューシーに楽しむことができる。
西麻布の一軒家フレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。