六本木の国立新美術館にあるフレンチ、『ブラッスリーポール・ボキューズ ミュゼ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
赤ワインは、コート・デュ・ローヌのファミーユ・ペランが造る、クードレ・ド・ボーカステル、2010年。
ファミーユ・ペランはシャトー・ド・ボーカステルを擁する南ローヌ屈指の造り手。
このクードレ・ド・ボーカステルは、シャトー・ド・ボーカステルの弟分的な位置づけのワイン。
色合いは濃く、口に含むと強い果実の凝縮感を持つ。
良いぶどうを使った、濃厚で洗練されたワインだ。
シャトー・ド・ボーカステルはとても強いので料理と合わせる時に気を使うが、このクードレの方が料理に合わせ易いので好きだ。
ぶどうは、シャトー・ド・ボーカステルの畑の道を隔てた東側の畑のものが使われている。
セパージュは、ムールヴェードル30%、グルナッシュ30%、シラー20%、サンソー20%。
牛ヒレ肉のソテー、マデラソース、季節の野菜とじゃがいものドフィノワ添え。
肉の厚みが半端ではない。
サイドディッシュとして、じゃがいものドフィノワが付けられている。
ドフィノワは、ドフィネ風グラタンのことで、フランス南東部、ドフィネ地方の郷土料理。
ヴォリュームもたっぷりで美味い。
大好きなレアー。
とろける程美味しく、どんどん食べ進む。
窓の外には、左手に東京タワー。
そして右手には六本木ヒルズ。
デセールは、温かいヴァローナチョコレートのフォンダン、ヴァニラ風味のアイスクリーム、フランボワーズのクーリー。
フォンダンショコラは大好物。
早めに頼んでおかないと、調理に時間がかかるデセール。
このヴァニラのアイスクリーム、とても円やかで美味しい。
中から流れ出す熱々のチョコレートがたまらない。
「やっぱりミュゼのお料理は美味しいわね」と彼女。
「ここにはもっと来ることにしよう」と私。
松尾支配人に今夜のお礼を述べ、店をあとにする。
店の店名を書いた横断幕には、ポール・ボキューズさん直筆のサイン。
このお店は、日本のポール・ボキューズの一号店。
ポール・ボキューズさんに関する色々な品が展示されている。
店には一番乗りしたが、ゆっくり食事をしワインを飲んだので、客でいっぱいだったお店にも空いたテーブルが目立つようになった。
エレベーターに乗り込む前にもう一度レストランを見ると、最後の客達が食事を楽しんでいる。
席についていると感じないが、横から見ると崖の先端で食事をしているような感じだ。
エレベーターを降り、上を見上げる。
逆コーンになっているので、下からレストランは見えない。
正面玄関は既に閉鎖されているので、建物の横手にある小さな出入り口から外に出る。
右手には六本木ヒルズ。
スマホの望遠で撮ると心霊写真のようになってしまった。
左手には東京ミッドタウン六本木。
外苑東通りに出て、地下に下る。
向かった先は、プレッセ・プレミアム。
ここは夜遅くなってもサラダが豊富なのだ。
何時ものとおり、彼女の朝食用のサラダを幾つか購入。
時間は既に遅く、東京ミッドタウン六本木にも行き交う人が少なくなった。
彼女と過ごす六本木の夜は素敵に更けていきました。