昨年末に訪問したレストランが良かったので、再訪することに。
彼女と高田馬場で待ち合わせ、お店に向かう。
『トラットリア・ダイ・パエサーニ』は都内でも珍しい、アブルッツォ料理のお店。
イタリアでもアドリア海側の州、マルケ、アブルッツォ、モリーゼ、プーリアは田舎のイメージが強く、地中海側のトスカーナ、ラツィオ、カンパーニャに較べて知名度が低い。
でも、このお店はとても居心地がよく、料理もワインも美味しいのだ。
天井からぶら下げられているのは、赤唐辛子とニンニク。
奥の部屋にはアブルッツォの品々がいっぱい置かれている。
オーナーのジュゼッペ・サバティーノさんが迎えてくれ、歓迎のスプマンテを注いでくれる。
ヴェネト州のアントニーニ・チェレーザが造る、ヴィッラ・デ・ブルン、ラ・ヴェネツィアーノ、スプマンテ、エクストラ・ドライ。
今夜最初の客なので、スプマンテも抜栓したばかりのボトルから注がれる。
グレープフルーツや青リンゴの香りを持ち、切れの良い辛口。
最初はお店のスペシャリティ、自家製アブルッツォ・サラミの盛り合わせ。
オーナーのジュゼッペさんは、サラミ・マイスターでもあるのだ。
この色の濃いコッパは、ジュゼッペさんが自分用に少量保管していた9年熟成品。
販売用は3年熟成だが、9年熟成と味を較べてもらいたいと出してくれた。
二人に取り分けても、この量。
初めてきた時よりも多い気がする。
手前の野菜は、ジュゼッペさんが千葉の自家菜園で育てた茄子。
9年熟成のコッパは色が茶色く変色し、味が濃縮されて美味い。
豚の生ハム、羊の生ハムも美味。
店の入り口の横には、大きなサラミ熟成庫が置かれている。
スプマンテを飲み干すと、白ワインを抜栓。
アブルッツォを代表する白ワイン、トレッビアーノでお薦めをお願いした。
テッラ・ダリージ、トレッビアーノ・ダブルッツォ、2016年。
柑橘や青リンゴのフレッシュな香り。
熟した洋梨やパイナップルのニュアンス。
しっかりした酸を持ち、ミネラルとのバランスも良い。
大麦と海老、ズッキーニのサラダ仕立て。
予想と異なるアピアランスが面白い。
大麦がこんなに美味しかったのかと驚く。
このプリプリ感が素晴らしい。
パスタは、うずら豆とポルチーニ茸のカンナルンジェッレ。
カンナルンジェッレはアブルッツォのパスタ。
中空のパスタは肉厚で短く、リガトーニとは明らかに形状が異なっている。
いかにも田舎料理といった感じだが、これが美味い。
しかし質感があるので、これだけでお腹がいっぱいになってしまう。
壁に掛けられた絵は、良く見るとお店のオーナーのジュゼッペ・サバティーノさん。
ご自慢の、お手製のプロシュートやサラミを前にポーズをとっている様子が上手く描かれている。
高田馬場のアブルッツォ料理の名店、『トラットリア・ダイ・パエサーニ』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。