一月下旬のこと、彼女と東京ミッドタウン六本木で待ち合わせ。
二人で向かった先は、国立新美術館。
国立新美術館が出来る前は、ここには東大生産技術研究所があったので、その頃はこの場所に時々来ていた。
美術館自体は既に開館時間を過ぎているが、この中にあるフレンチのお店、『ブラッスリー ポール・ボキューズ ミュゼ』は営業している。
エントランスを入ると、『ポール・ボキューズ』のスタッフが出迎えてくれる。
レストランは、この逆コーンの上にある。
エレベーターで三階に上ると、レストラン・フロアー。
テーブルは空中に突き出したような場所、コーンの外周の縁に並べられている。
この絵を見ると、高所恐怖症の方は入店をためらうのではないだろうか。
レストランの入り口の真反対側、一番奥の何時ものテーブルに案内される。
私の席からは、窓越しに東京タワー。
そして目を右手に向けると、六本木ヒルズ。
さて、今夜はどんな料理とワインに出会えるか楽しみだ。
最初のワインは、定番のスパークリング。
ヴーヴ・アンバルが造る、クレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ミレジム、2015年。
ブルゴーニュを代表するクレマン専業メゾンで、シャンパーニュ方式による高品質クレマンの生産で評価が高い。
バゲットと鶏のリエットが届く。
この鶏のリエットは隠し味にカレーパウダーが使われていて、とても美味しい。
以前の記事でも書いたが、バゲットは『ポール・ボキューズ』各店毎に焼きが少しずつ異なる。
ここのバゲットは一番カリッと焼かれていて、私の好み。
ヴーヴ・アンバルのクレマンのミレジムは彼女も私も大好きなので、気が付けばバゲットをお供に4杯も飲んでしまった。
前菜は、フランス産フォアグラのソテー、ソース・モリーユ、ブリオッシュと胡桃のサラダ添え。
大きなフォアグラが、ブリオッシュを枕に横たわっている。
なんとも肉感的な姿だ。
ソース・モリーユは、モリーユ茸を刻んで入れた赤ワインソース。
白は彼女が好きなソーテルヌの辛口。
クロ・デ・リュンヌ、キュヴェ・リュンヌ・ダルジャン、2012年。
ペサック・レオニャンのトップ・シャトー、ドメーヌ・ド・シュヴァリエのベルナール家がソーテルヌで造るワインで、醸造はシュヴァリエのチームが担当している。
セパージュはセミヨン70%、ソーヴィニヨン・ブラン30%。
平目のブレゼ、サフラン風味のスープ仕立て、ジュリエンヌ・レギュームと共に。
ジュリエンヌ・レギュームは、細切り野菜のこと。
油で焼いて焦げ目をつけた後にスープで蒸された平目が美味い。
モンサンミッシェル産のムール貝が良い味を出している。
六本木の国立新美術館にある『ポール・ボキューズ ミュゼ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。