銀座のフレンチ・レストラン、『アイコニック』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
二種類目の白ワインは、ルーションのスター・ドメーヌ、ドメーヌ・ゴビーのコート・カタラン・ブラン、ヴィエイユ・ヴィーニュ、2007年。
強い果実の凝縮感と、熟成感。
完熟した洋梨、白桃、パイナップルのニュアンス。
綺麗なミネラル、こなれた樽の香りも心地良い。
セパージュは複雑で、マカブー40%、グルナッシュ・ブラン25%、シャルドネ15%、グルナッシュ・グリ10%、カリニャン・ブラン10%。
ぶどう栽培はビオディナミ。
二種の白ワインを飲み較べ。
右がソーテルヌのクロ・デ・リュンヌ、2012年。
左がコート・カタラン、ヴィエイユ・ヴィーニュ、2007年。
二皿目の前菜は、帆立貝のポワレ、ガレット・ド・リ、茸の香るパピオット仕立て。
フィルムを開くと、素晴らしい香りがふわっと立ち昇る。
焼いた魚の骨でとったスープの香りだ。
酢橘を絞り、果汁を振りかける。
魚、帆立、茸の香りに、酢橘の爽やかな香りが加わる。
帆立や茸の下には、スープをたっぷり吸ったリゾット。
これがまた美味い。
魚料理は、瞬〆鱸のプランチャーグリエ、フレッシュトマトのソースヴィエルジュ。
プランチャーグリエは鉄板焼き。
鱸は、エアガンで神経を瞬殺する船橋産。
瞬〆で熟成が可能となり、1~2週間寝かせると一層美味しいそうだが、今夜の鱸はまだ三日目だとのこと。
赤ワインは、スッド・ウエスト、マディランを代表する造り手、ドメーヌ・アラン・ブリュモンのシャトー・モンテュス・ルージュ、2007年。
アラン・ブリュモンはマディランの地ぶどう、タナの素晴らしさを世界に知らしめた人物。
その功績を認められ、フランス最高勲章、レジョン・ドヌールを受勲している。
タナの語源はタンニン。
とても強いワインなので、タナ100%は彼女は苦手。
でもシャトー・モンテュスは、タナ80%にカベルネ・ソーヴィニョンが20%加えられているので、少しマイルド。
熟したブラックベリーやカシス、プラムのニュアンス。
果実の凝縮感が素晴らしい、フルフル・ボディのワインだ。
色合いはとても濃い。
彼女はタナは強すぎると言うが、タンニン=ポリフェノールの一種の含有量がずば抜けて多く、循環器系疾患の予防効果があるとの研究結果が発表されている。
ダウンライトにかざしてみるが、不透明な濃いガーネットなので淡い色彩の影しか浮かばない。
グラスに残るワインの涙の影を見ると、このワインのアルコール度数、粘性の高さがわかる。
肉料理は、黒毛和牛フィレ肉のロティ、栗のピューレと巨峰、ソースヴェルジュ。
肉の焼き色が素晴らしい。
「美味しい。もっと沢山食べたい」と肉食系女子の彼女。
でも今夜は皿数が多かったので、食べ終わった後は「もうお腹いっぱい」とのことでほっとする。
添えられているのは、栗のイガ。
栗のニョッキに揚げたカッペリーニを刺して表現。
こんな鈴木シェフの遊び心が楽しい。
デセールは、宮崎マンゴー、ヨーグルトのブランマンジェ。
ヨーグルトのブランマンジェは何処にあるのかと思ったら、マンゴーのゼリー寄せの下。
マンゴーのシャーベットも美味しい。
今夜はミニャルディーズもヴォリューミー。
さすがの彼女も満腹とのこと。
「やっぱり鈴木さんのお料理は素敵ね。今夜も楽しかった。ありがとう」と彼女。
鈴木シェフに今夜の礼を述べ握手を交わし、横山支配人に見送られ、店をあとにする。
銀座ベルビア館を出ると、有楽町駅に向かう。
向かった先は、何時ものファミマ。
ここは夜遅くてもサラダが豊富なのが嬉しい。
何時もの通り、彼女の朝食用のサラダを幾つか購入。
再びマロニエ通りに出ると、銀座通りに向かって散策。
バーバリーのショーウインドウは、シンプルにコート系。
モンクレールのディスプレイがまた代わっている。
何時も思うが、モンクレールのディスプレイのデザイナーは創造力が素晴らしい。
オオクラ本館の銀座通り側は、カルティエ。
昔ここに大倉商事があった頃には、時々顔を出していた。
当時、私の仕事を担当してくれていた女性スタッフがとても美しい方だったのだ。
シャネルの改装が終わり、ディスプレイを見るのが楽しくなった。
そしてルイ・ヴィトンのディスプレイ。
動きがあるので見飽きない。
彼女と過ごす銀座の夜は素敵に更けていきました。