西麻布のフレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
赤ワインは私が好きな銘柄。
ボルドー、リュサック・サンテミリオンのシャトー・リオナ、キュヴェ・エモーション、2009年。
シャトー・リオナは2008年からシャトー・アンジェリュスのユーベル・ド・ブアールを醸造コンサルタントに迎え、品質が向上している。
不透明な濃いガーネット。
濃厚な果実味と熟成感。
タンニンは強いが綺麗に果実味に溶け込んでいる。
カシス、干し無花果、ヴァニラ、ビターチョコレート、カカオ、コーヒーのニュアンス。
素晴らしいフルボディだ。
メルロー100%で、樹齢は80~100年。
新樽100%で18ヶ月間熟成されている。
ボトルの最後の一杯には、細かな澱。
カベルネ・ソーヴィニヨンとは澱の形状も異なるのが面白い。
鴨胸肉のロースト、赤いフルーツのソース、長崎県産プラム”貴陽”とオクラのサラダ。
貴陽は山梨県で開発されたプラムの高級品種。
栽培の難しい大玉品種で、世界一重いプラムとしてギネスに登録されている。
でも私は貴陽と聞くと、中国貴州省の州都、貴陽市を思い出す。
白酒の名産地だ。
鴨は、マグレ鴨。
彼女はマグレ鴨が大好きなので、今夜のメインには満足。
濃厚なベリー系のソースが良く合う。
ディジェスティフは、ロゼ・ワイン。
白と同じ造り手、ラングドック・ルーションのドメーヌ・ロワイヤル・ドゥ・ジャラスが造る、ピンク・フラミンゴ・グリ・ド・グリ、2015年。
淡いピンク。
ストロベリーやラズベリーのニュアンス。
すっきりと爽やかな飲み口がいっぱいになった胃を癒してくれる。
ぶどうはグルナッシュ・グリ、サンソー、カリニャンで、栽培はリュット・レゾネ。
桃のコンポート、マラスキーノ風味。
大きな桃がごろんと一個丸のまま。
周りにはグラニテ。
ナイフでざっくり切り、種を取り除く。
これは最高に美味い。
「今日は一日楽しかったわね。イタリアン、映画、フレンチ、そしてショッピングとプレゼント。最高の一日だわ。ありがとう」と彼女。
「君の推薦の映画は面白かったね。あの服はとても似合っているので、今度着てきてね」と私。
お腹はいっぱいでも、ミニャルディーズは別腹。
坂元支配人に見送られ、満ち足りた想いで店をあとにする。
「ねえ、今夜も歩きましょうよ」と彼女。
夜になると少し涼しくなったので、散策も気持ち良い。
六本木ヒルズの66プラザに着くと、多くのドラえもんが迎えてくれる。
蜘蛛は家路を急ぐ人々を見送っているのか、それとも今夜の獲物を探しているのだろうか。
メトロハットから地下に下り、何時もの成城石井へ。
彼女用にサラダを幾つか購入し、帰途に就く。
六本木、西麻布、そして再び六本木で彼女と過ごす夜は、素敵に更けていきました。