ある夏の夜、彼女と六本木で待ち合わせると、車で西麻布に向かう。
今夜のお店は二人が大好きな白亜の一軒家フレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』。
正面玄関に車を乗りつけたが、今夜は建物の横、1階にある入り口を使っていた。
支配人の坂元さんがさっと現れ、迎えてくれる。
メインダイニングは三階なので、レトロなエレベーターで三階に上る。
何時ものテーブルに案内され、腰を下ろす。
今夜はシャンパーニュ地方の郷土料理を味わう会。
テーブルの上には、フランスの小さな置物たち。
エッフェル塔、凱旋門、赤ワイン、フランスパン、チーズ、そしてパンとチーズの間には雄鶏。
今夜のワイン達が冷えている。
歓迎のシャンパーニュは、ドゥラモット・ブリュット、プール・ヒラマツ。
1760年創業の名門であり、サロンの姉妹メゾンとしても有名なドゥラモットが、『ひらまつ』のために造る特別なキュヴェ。
勢いのある綺麗な泡立ち。
グレープフルーツなどのシトラスの香り。
口に含むと、フレッシュな果実味のあとにブリオッシュや炒ったナッツのニュアンス。
活き活きとした酸味も素晴らしい。
セパージュは、シャルドネ55%、ピノ・ノワール35%、ピノ・ムニエ10%。
今夜のパンは、バゲット。
会によってパンの種類が変わるのも面白い。
今夜のパンのお供は四角くカットされたバター。
前菜は、ミディトマトのコンポート、シャルトリューズのグラニテ。
真っ赤なトマトがツヤツヤでとても可愛い。
シャルトリューズの香りも素晴らしい。
シャルトリューズはフランスのリキュールの女王と呼ばれ、ブランデーをベースに130種類のハーブが加えられ、浸漬と蒸留を繰り返し、熟成させて造られている。
白ワインは、南ローヌを代表する造り手、ファミーユ・ペランが造る、ラ・ヴィエイユ・フェルム・ブラン、リュベロン、2014年。
グレープフルーツや青リンゴの爽やかな香り。
口に含むと、果実の凝縮感、爽やかな酸味。
セパージュは、グルナッシュ・ブラン30%、ブールブーラン30%、ユニ・ブラン30%、ルーサンヌ10%。
静岡県産虹鱒のヴァプール、シャンブノワーズソース、カレー風味のアクセント。
シャンパーニュ地方は川魚料理が有名。
蒸した虹鱒は色鮮やかで生の食感。
ラシエット・シャンプノワーズは、シャンパーニュ地方を代表する三ツ星レストラン。
西麻布の大好きなフレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。