代官山のフレンチ、『メゾン ポール・ボキューズ』で開催された「パリ祭パーティー」に彼女と共に参加した楽しい夜の続き。
クレマン・ド・ブルゴーニュのロゼ、コンドリューの白の後は、ボルドーのグラン・クリュの赤。
サン・ジュリアンの格付け第三級、シャトー・ラグランジュ、2005年。
シャトー・ラグランジュは好きなワイン。
しかも2005年とは素晴らしいヴィンテージだ。
果実の凝縮感、熟成感、そしてタンニンのどれをとっても素晴らしい出来上がりだ。
セパージュは、カベルネ・ソーヴィニヨン66%、メルロー27%、カベルネ・フラン7%で、新樽比率は60%。
オマール海老と季節野菜のグラタン仕立て、”フェルナン・ポワン風”。
これはリヨンの本店、『ポール・ボキューズ』のクリストフ総料理長のスペシャリティなのだそうだ。
フェルナン・ポワン氏はリヨンの伝説的レストラン、『ラ・ピラミッド』のオーナーシェフで、ポール・ボキューズ氏の師にあたる人物。
ビスクとオランデーズソースを合わせて作られたソースが素晴らしく美味い。
フルムダンベールのクルートを乗せた国産牛フィレ肉のポワレ、クリームで軽く煮込んだジャガイモ添え、ジューソースとトリュフのアクセント。
フィレ肉の上に乗せられたフルムダンベールのクルートの香りが素晴らしい。
切り分けると、フィレ肉の焼き加減も美味しそう。
クリームで煮込まれたジャガイモには、フィレ肉のジュにトリュフを加えたソースがかけられている。
ディジェスティフは、ボルドー、ソーテルヌの貴腐ワイン。
シャトー・カントグリル、2006年。
このシャトーのオーナーは、ボルドー大学醸造学教授で、近代醸造学の父と称されるドゥニ・デュブルヴュー博士。
博士は白ワインの魔術師とも呼ばれ、ボルドーに4つのシャトーを保有している。
熟成が進み、濃い黄金色。
柑橘系の爽やかな香りを持ち、口に含むと熟した桃やアプリコットのニュアンス。
残糖感が無く、とても上品な仕上がりだ。
セパージュは、セミヨン80%、ソーヴィニヨン・ブラン20%。
樽熟期間は18ヶ月で、新樽比率は30%。
デセールは、白桃のコンポート”メルバ風”。
ヴァニラアイスクリームとラズベリーのクーリーと共に。
ピーチ・メルバは、オーギュスト・エスコフィエ氏が作ったデザート。
オーストラリアのオペラ歌手、ネリー・メルバの為に考案したことから、ピーチ・メルバと名付けられた。
バニラアイスの中には、白桃のコンポートがぎっしり。
お腹はいっぱいでも、このデセールを見ると別腹が起動してしまう。
「今年のパリ祭も楽しいわね。ありがとう」と彼女。
「今年の料理も美味しかったし、ワインも良かったね。でも、飲み過ぎてしまったよ」と私。
今夜は食事前にロゼの泡を5~6杯飲んだし、ジョルジュ・ヴェルネのコンドリューもシャトー・ラグランジュも素晴らしかったので数杯ずつ飲んでしまった。
ミニャルディーズが可愛い。
彼女は流石にお腹がいっぱいのようで、一つ食べただけであとは残してしまった。
ということは、私は5個食べたことになる。
人が溢れていたパーティー会場は、パティオに通じるドアが閉められ、ひっそりと静まりかえっている。
この長い廊下の突き当りを左折し、再び右に曲がるとメイン・ダイニングルームに出る。
彼女と二人で訪問するときは、そちらで食事をしている。
先﨑支配人、入砂シェフ、北村ソムリエに見送られ、満ち足りた想いで夜の代官山を歩く。
代官山T-SITEに立ち寄り、いろいろなグッズを見て回る。
そしてファミマで彼女用のサラダを幾つか購入し、再び恵比寿駅に向かって散策する。
彼女と過ごす代官山の夜は素敵に更けていきました。