6月のこと、彼女と白金台で待ち合わせ。
今夜はちょっと素敵なフレンチでディナーの予約。
雨上がりの道を、二人肩を並べて歩く。
向かった先は、東京都庭園美術館。
1933年に完成した旧朝香宮邸を、1983年に東京都庭園美術館として一般公開されたもの。
旧朝香宮邸は、アール・デコの美しい建物として知られている。
美術館の名前は透き通った硝子板に書かれているので見えにくい。
しばらくあとに「ブラジル先住民の椅子展」が開催されるが、その準備のため今は休館中。
正門を入り、左に進むと、レストランの表示。
でも、お店の名前は書かれていない。
今夜のお店は、『レストラン・デュ・パルク』。
青山のフレンチの名門、『ロアラブッシュ』が運営するお店である。
そう言えば、『ロアラブッシュ』の建物は、1934年完成の西洋建築の邸宅である。
レストランは東京都庭園美術館の鬱蒼と茂る森の中にあり、前庭にはテラス席もある。
このレストランは、redfoxさんに教えていただいた。
⇒素敵なお庭を眺めながら♪東京都庭園美術館併設のReataurant du Parcでランチ
雨の予報の休館日の平日。
何時もは予約至難の人気店も、さすがに今夜は空いている。
到着時は他に客が居たが、ほどなく私達の貸し切りとなった。
レストランの二面が全面ガラス張りとなっている。
私達のテーブルは、その二面の角、このレストランで最良のテーブル。
正面のガラスの向こうにはテラス席、そしてその先には芝生の庭と森。
右側のガラスの向こうには百合の花が咲き乱れ、その先には鬱蒼と茂る森。
最初のグラスは、モエ・エ・シャンドンがオーストラリア、ヴィクトリア州のヤラ・ヴァレーで造る、シャンドン、ブリュット・ロゼ。
このボトルは、Tomoyuki Yonezu Limited Edition。
EROTYKA TOKYO PARIS クリエイティヴ・アートディレクターの米津智之氏デザインの限定ボトルだ。
チェリーやフランボワーズの香り。
口に含むと、ピーチやアーモンドのニュアンス。
冷えたロゼが美味い。
ぶどうは、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、シャルドネ。
アミューズは、ジャガイモと鬼灯。
ジャガイモは身をくりぬき、生クリームで和えて再度詰められている。
次のグラスは、ボルドーの白。
ブライ・コート・ド・ボルドーのシャトー・レ・グラーヴ、2016年。
ブライ地区に18haの畑を保有する家族経営のシャトー。
グレープフルーツやレモンの柑橘系の香り。
ライチ、青リンゴ、ミント、そして樽のニュアンス。
セパージュは、ソーヴィニヨン・ブラン90%、ミュスカデル10%。
最初の前菜は、テリーヌ・レギュームと魚介のマリネ、貝出汁の泡を添えて。
あしたばはフリットで。
テリーヌ・レギュームは、野菜の断面が美しい。
野菜の中に埋もれているのは、ホタテとハマグリ。
白い塊は、貝のだし汁を固めたもの。
真ん中は、オリーブとケッパーのソース。
ミネラルウォーターは、ペリエ。
最近彼女は、コンガスを飲むようになっている。
熱々のパンもとても美味い。
フロアマネジャーの女性のサービスは心憎いくらい洗練されている。
聞いてみると、思った通り『ロアラブッシュ』から派遣されている。
『ロアラブッシュ』の話題でも盛り上がる。
白金台のフレンチ、『レストラン・デュ・パルク』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。