先日のこと、彼女と恵比寿で待ち合わせ。
車に乗り、代官山に向かう。
旧山手通りの西郷山公園入口で下車。
向かいに見えているレンガ色の一軒家が今日のランチのお店、『マダム・トキ』。
1978年開業のフレンチの老舗中の老舗であり、長きにわたり最高の料理とサービスを提供していることは驚嘆に値する。
門をくぐると、突き当りはパティスリー等のショップ。
その前を左に曲り、本館の玄関に向かう。
ステップの手前まで来るとドアがさっと開き、「高原様、お待ちしておりました」と迎えてくれる。
今日も満席のようだ。
何時もは玄関を入ってすぐのホールで食事をしているが、今日は奥の部屋に通された。
「今日もありがとう。嬉しいわ」と彼女。
ここは彼女の大のお気に入りなのだ。
ナプキンを取ると、この飾り皿にもMadam Tokiの名前が入っている。
最初の白はグラスで。
ロワールのシャトー・デュ・コワンが造る、ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ、シュール・リー、コント・ド・サン・ユベール、ヴィエイユ・ヴィーニュ、2000年。
シャトー・デュ・コワンは、1421年創業の貴族が経営するシャトー。
そのコント・ド・サン・ユベールの2000年をグラスで飲むことができるとは、さすが『マダム・トキ』。
17年半の熟成を経て、色は飴色に近い黄金色。
完熟した洋梨、パッションフルーツ、パイナップル、そして素晴らしい樽香。
強く深い熟成感と、豊かなミネラル感。
ぶどうは樹齢80年の古木。
これはもはやミュスカデの領域を超えた、素晴らしい白ワインだ。
お供は、オリーブ。
アミューズ・ブッシュは、リンゴとアヴォカドのムースリーヌ。
リンゴの爽やかな香り、アヴォカドの滑らかな舌触りが素晴らしい。
二杯目も良いワインをグラスで。
ドメーヌ・フェルナンド・エ・ローラン・ピヨが造る、シャサーニュ・モンラッシェ、プルミエ・クリュ、モルジョ、2008年。
フェルナンド・エ・ローラン・ピヨはシャサーニュ・モンラッシェに本拠地を置く家族経営のドメーヌ。
柑橘系の香りに甘いヴァニラ香。
素晴らしい果実味。
豊饒なボディを持ちながら、綺麗な酸とミネラルのバランスも良い。
自然なぶどう栽培を行い、本人曰く”ピヨディナミ”。
フレンチオークの樽で11~12ヶ月熟成させ、新樽比率は40%。
パンは数種類から好きに選ぶことができる。
どれも美味しそうだが、パンを食べ過ぎると料理やデセールがお腹に入らなくなるので要注意だ。
二人とも三種類ずつ選んだ。
バターは、高さ40cm位もある大きな塊から、ガバッと切り取り、バサッとバター皿に置かれる。
このバターが美味しいのだが、普通のレストランの数倍の量があるので、どうしても半分は残ってしまう。
パン皿にも『マダム・トキ』の名前と創業年の1972の年号が入っている。
この店の開業は1978年だが、『マダム・トキ』自身は1972年創業ということなのだろう。
一度確かめたいと思いながら、未だに確かめていない。
ミネラルウォーターは、イタリアのサンペレグリノ。
最近、彼女はコンガスを選ぶようになっている。
最初の前菜は、新玉ねぎのブランマンジェ、スナップエンドウと菜の花のムースリーヌ。
緑鮮やかで、春の食材が季節感を醸し出す。
第二の前菜は、完熟トマトとイチゴのスープ、そのクリスタルなジュレとバルサミコの香り。
スープに使われているトマトは、バルサミコに一晩漬け込んでから調理されている。
美しい春の一皿だ。
代官山の一軒家フレンチ、『マダム・トキ』で彼女と過ごす素敵なランチは続きます。



















