彼女と神楽坂で待ち合わせ。
最近、神楽坂比率が高くなっている。
神楽坂(早稲田通り)を上り、見番横丁に左折する。
そして見番横丁の先を更に左折すると、熱海湯階段に至る小径に出る。
これが、見番横丁から小栗通りへ抜ける熱海湯階段。
この先にうどんすきで有名な『鳥茶屋別亭』があるので、時々来る路だ。
階段の途中、『鳥茶屋別亭』の向かい側にあるお店が、人気のモダン・スパニッシュ、『エスタシオン』。
店の前は急な階段なので、ここに店があると知らないと、通り過ぎてしまう。
急な階段からビルの入り口に飛び移るように入ると、左手に『エスタシオン』のドア。
ここは、野堀貴則シェフのお店。
店内には、テーブルに10席、カンターに6席しかない。
人気店でこの席数では、予約が取れないのも理解できる。
野堀シェフが、フロアスタッフ一名の協力を得て運営するお店なので、丁度良い席数だと思う。
シェフの真向かいのカウンター席に陣取り、ワインについてもシェフと相談。
最初はシェフお薦めのスパークリング。
カタルーニャ州、ペネデスのラヴェントス・イ・ブラン、コンカ・デル・リュ・アノイア、デ・ニート、2015年。
カヴァかと思ったら、より良い品質を追求し、カヴァを脱退したという強者の造り手のスパークリング。
スペイン国内の全ての三ツ星レストランで採用されているそうだ。
素晴らしいミネラル感を持つ、綺麗な辛口。
ぶどう栽培はビオディナミで、最低18ヶ月間の熟成を経てリリースされている。
ぶどうは、マカベオ37%、チャレロ37%、バレリャダ18%、モナストレル8%。
二種のアミューズ。
泡に良く合う嬉しい一皿。
白もグラスで。
好みを伝えると、二種類のボトルを選んでくれた。
その二本から選んだボトルは、アレマイン・イ・コリオが造る、プリンシピア・マテマティカ、2016年。
プリンシピア・マテマティカは、1910~1913年に出版された、数学の基礎に関する三部作の著作の名前。
エチケットもとてもユニークだ。
素晴らしいヴォリューム感と熟成感。
パイナップルや洋梨、その後に続く炒ったナッツのニュアンス。
ぶどうは樹齢30年以上のチャレロ100%で、オーク樽で6ヶ月間熟成されている。
最初の料理は、鯖のマリネ。
野菜のマリネも添えられ、盛り付けがとても美味しい。
鯖の下には、クスクス。
種なしのグリーンのぶどうはシャインマスカットかと思ったが、季節を考えると輸入物のトンプソン・シードレスかもしれない。
ピキージョ・ピーマンの詰め物、菊芋のソース。
ピキージョは、ナバラ産の赤ピーマンのこと。
ピーマンの中には、帆立や海老のムースが詰められていて美味い。
神楽坂の人気のスパニッシュ、『エスタシオン』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。