西麻布の一軒家フレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
今夜は、高知県と『ひらまつ』のコラボ・ディナー。
古満目漁港定置網活石鯛の土佐備長炭グリル。
四万十アオサノリのジュ、フィンガーライムと有機葉菜。
大きな石鯛だ。
子供の頃から釣りが好きで、大学時代は三宅島の沖の三本や、高知の宿毛、徳島の海部、三重の尾鷲、島根の隠岐の島等に石鯛を狙って磯釣りに行ったものだ。
フィンガーライムは高知県産。
有機葉菜は、ほうれん草。
赤ワインは、ブルゴーニュの好きな銘柄。
ルイ・ジャドが造る、サヴィニー・レ・ボーヌ、プルミエ・クリュ、ラ・ドミノード、2009年。
偉大な畑の素晴らしいヴィンテージのピノ・ノワールだ。
ベリー系の香り。
ブラックベリー、ラズベリー、ダークチェリーに、チョコレートやバニラのニュアンス。
ラ・ドミノードの畑のピノ・ノワールを100%使用し、オーク樽での熟成期間は12~15カ月。
このワインは何度も飲んでいるが、本当に美味いと思う。
無濾過なので光は透過しにくようだ。
ダウンライトの光を当てると、ぼわっとした光の輪が現れた。
土佐あかうしロース肉のポッシェ、その澄んだコンソメ、香り米のガレットと新玉葱のロースト、仁淀川山椒のソースベアルネーズ。
テーブル上で、コンソメスープが注がれる。
香りが素晴らしい。
コンソメは、あかうしの骨から作られている。
あかうしのサーロインの火入れが素晴らしく美味しそう。
ソースベアルネーズには、仁淀川の山椒と山椒の葉が使われている。
香り米のガレットに使われている米は、古代米と新田米。
ディジェスティフは、南ローヌの名門、ファミーユ・ペランが造る、ミュスカ・ボーム・ド・ヴニーズ、2010年。
ミュスカ・ボーム・ド・ヴニーズは、南ローヌの白ワインのAOC。
上品な、果実の甘みを持つ酒精強化(フォーティファイド)ワイン。
ワインの発酵中にブランデーを加えて発酵を止め、果実の甘さを残しており、ヴァン・ド・ナチュレルと呼ばれている。
デセールは、白木果樹園土佐文旦のヴェリンヌ、高知県産紅茶のムースとクランブルショコラ、柑橘とヴェルヴェーヌのジュレ。
横から見ると、そうれぞれの食材が層状に積み上げられている。
白木さんは、柑橘博士と称される柑橘類の有名な作り手。
今夜のミニャルディーズのお供はコーヒーではなく、お茶。
ボカ、黄金生姜と、碁石茶。
黒は、ボガ。
ボガは、サトウキビから砂糖を作る過程で、煮詰めた最初の汁。
白は黄金生姜で、香り・味とも通常の三倍の濃度がある。
そして碁石茶は、発酵茶。
「高知といえば海産物ばかりかと思ってたけど、こんなに豊富な食材があるのね。今夜も美味しかった、ありがとう」と彼女。
「それじゃあ今度、高知に遊びに行こうよ。日曜の朝市も楽しいよ」と私。
坂元支配人、内木場料理長、金倉ソムリエに見送られ、店をあとにする。
今夜もいっぱい食べ、いっぱい飲んだので、西麻布から六本木まで歩くことにする。
六本木通りから、六本木ヒルズの66プラザに上り、メトロハットに向かう。
夜も更け、家路につく人たちが足早に通り過ぎる。
東京タワーの輝きが美しい。
彼女と過ごす西麻布、六本木の夜は素敵に更けて行きました。