今夜は彼女と六本木ヒルズで待ち合わせ。
車で向かった先は二人が大好きなフレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』。
白亜の一軒家レストランだ。
このレストランには、開店時から通っている。
もう何十回、この階段を上ったことだろう。
奧には、開店当時からの母子像。
手前の天使像は、昨年の改装で加えられた。
二階のレセプションで、坂元支配人が迎えてくれる。
その隣には、坂本龍馬の像。
そして、”よさこい鳴子踊り”で使われる鳴子。
そう、今夜は高知県と『ひらまつ』のコラボ・ディナーなのだ。
レセプションにテーブルが置かれ、木製のバッグや道具が置かれている。
これらは、四万十の特産品、”四万十桧”の製品なのだ。
寄木細工の名刺入れもとても美しい。
製品を紹介していただいた高知県アンテナショップ、「まるごと高知」の方と名刺交換すると、彼の名刺には”唎酒師”と書かれていた。
さすが高知だ。
顔見知りのスタッフに案内され、レトロなエレベーターで三階のメイン・ダイニングに登り、今夜のテーブルにつく。
テーブル上には今夜のメニューリストと、高知県産品のパンフレット。
金倉ソムリエがアペリティフを届けてくれる。
キール・ロワイヤル、クレ-ム・ド・カシスをクレマン・ド・ブルゴーニュで割って造られたカクテル。
彼女と目と目を合わせて乾杯。
使われているクレーム・ド・カシスは、フランスのリキュール界の第一人者、ジャン・ポール・メッテのもの。
アルザスに本拠地を置き、驚くような様々な植物から素晴らしいオー・ド・ヴィーを造り出している。
そしてクレマンは、ブルゴーニュ最大のクレマン専業メゾン、ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ブリュット、ミレジム、2014年。
アペリティフのお供は、グジェール。
フロマージュを練り込んだシューが美味い。
高知県産蜂蜜とフォアグラの滑らかなムース、春の野菜とヴェルガモットのサラダ、乙女の涙としあわせの涙。
春の野菜はホワイト・バルサミコでマリネされている。
フォアグラのムースが濃密で美味い。
赤いトマトが、高知県産の乙女の涙。
黄色いトマトが同じく高知県産のしあわせの涙。
糖度が11%以上もあるのだそうだ。
白ワインは、ドゥ・ラドゥセットが造る、プイィ・フュメ、2009年。
ラドゥセット男爵が率いる、200年以上の歴史を誇るロワール地方最大の造り手。
華やかな果実味、シャープな酸とミネラルを持つ上質なソーヴィニヨン・ブランだ。
彼女はドゥ・ラドゥセットのフラッグシップ、バロン・ド・エルが大のお気に入りなのだ。
直七でマリネした大紋はたのトランシェ、おかざき農園のフルーツトマトのドゥミセック、アオリイカのセジール。
直七(なおしち)は高知県宿毛市特産の、酢橘に似た緑の柑橘。
大紋はたの白身がとても美しい。
おかざき農園は、高知市にあるトマト栽培農園。
フルーツトマトは軽くローストされている。
アオリイカにはセジールで軽い焼き色。
野菜の中には、高知県産のブラッドオレンジも添えられている。
熱々のパンが美味い。
ワインをどんどん飲んでいるので、料理に加え、パンも必須。
バターには、ひらまつシェフと奥様のイニシャル。
バターナイフを入れるのが悪いような気がする。
大好きなフレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。