西麻布の一軒家フレンチ、『レストランひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす素敵なクリスマス・イヴの夜の続き。
ドメーヌ・ゴビーのコート・カタラン、ヴィエイユ・ヴィーニュを飲み干すと、抜栓しておいた赤ワインをテイスティング。
今夜の赤は、坂元支配人が『ひらまつ』のセラーから私達のために選んでくれたもの。
モンジャール・ミュニュレ、ヴォーヌ・ロマネ、2005年。
18世紀末以来ヴォーヌ・ロマネでワイン生産を続け、現当主は8代目。
先代はヴォーヌ・ロマネの村長を務めた名門。
ぶどう畑はコート・ド・ニュイからボーヌまで、33haに及ぶ大ドメーヌである。
コルクにもロゴマーク
コルクは品質も長さも充分。
状態は良く、香りも良好。
ストロベリーやレッドチェリーの豊かなアロマ。
タンニンは強いが果実味に上手く溶け込んでいる。
少し温度が上がってくると、黒い土や腐葉土のニュアンスが出てくる。
骨太な素晴らしいピノ・ノワール。
ぶどう栽培はリュット・レゾネ。
オーク樽で熟成されており、新樽比率は35%。
牛ヒレ肉、トリュフ、野菜のブイヨン。
大きなヒレ肉が皿にドンと置かれた感じ。
最初は野菜のブイヨンで食べるのかと驚いたが、柔らかく癖のない肉質なので、ソースも強くない方が合うことがよくわかった。
ヴォーヌ・ロマネがまだまだ残っているので、フロマージュのワゴンを出してもらう。
私が選んだフロマージュは、ウォッシュタイプがモンドールと名前を忘れたもう一種。
シェーブルは、セル・シュル・シェール。
ブルーは、ブルー・ドーヴェルニュだったと思う。
ヴォーヌ・ロマネとフロマージュの相性は抜群。
「今夜のヴォーヌ・ロマネはとっても美味しい。ありがとう」と彼女。
「坂元支配人は僕たちの好みをよくわかってくれているね」と私。
デセールは、苺。
カスタードクリームをかけて炙られた苺は、とちおとめ。
真っ赤なのは、キイチゴのアイスクリーム。
アイスクリームに刺さっているのは、オレンジ風味のチュイール。
食後の飲み物は、ひらまつブレンドのハーブティーを選択。
お腹はいっぱいだが、ミニャルディーズまで完食。
柘榴の実を見ると、テヘランで山盛の柘榴を絞ってもらい、柘榴ジュースをお腹いっぱい飲んだことを思い出す。
満ち足りた思いで席を立つ。
支配人に案内されたのは、地下のホール。
普段は結婚披露宴会場のここを、今夜はウェイティングルームとして使っているのだそうだ。
ツリーに明りが灯り、背景にはプロジェクターでクリスマスの映像が流れている。
コートを受け取り、一階の出口に向かう。
出口には、忙しいさなかにもかかわらず、内木場料理長が見送りに出てきてくれている。
今夜の料理の感想を述べ、新年の再会を約して店をあとにする。
車に乗ると、再び六本木ヒルズへ。
「今年も素敵なクリスマス・ディナーをありがとう。とても嬉しいわ」と彼女。
「今夜の君もとても綺麗だよ。僕こそありがとう」と私。
彼女と過ごす、西麻布、そして六本木の夜は素敵に更けて行きました。