クリスマス・イヴの夜をどのレストランで過ごすか、毎年悩むところ。
色々な案を考えたが、結局選んだお店は大好きなフレンチ、西麻布の『レストランひらまつ レゼルヴ』。
彼女と待ち合わせる六本木ヒルズには、ちょっと早めに到着。
蜘蛛の脚の間に見える東京タワーにも明りが灯る。
肉眼でははっきり見えるのだが、写真に撮ると空がまだ明るいので、東京タワーの存在がぼやけてしまう。
大屋根プラザでは、恒例のクリスマス・マーケットが開催されている。
クリスマス・マーケットはいつ来てもウキウキする。
木製のピラミッドが回り、雰囲気を盛り上げている。
ドイツでよく行ったクリスマス・マーケットを思い出す。
それにしても凄い人だかり。
かなり寒いのだが、ソーセージやビールを買ってマーケット内のテーブルで食べたり飲んだりしている人もいっぱいいる。
ドイツのクリスマス商品を販売するローテンブルクのケーテ・ウォルファルトは大人気。
入店待ちの長い列ができている。
ローテンブルクでのんびり過ごしたことがあるが、その時はケーテ・ウォルファルトを知らなかったのと、フランケン・ワインを飲んだくれていたので残念ながら訪問していない。
おっと、クリスマス・マーケットで時間を使う余裕は無かった。
目的の場所は、『ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション』のブティック。
え~と、目的の商品はどこにあるのだろう。
一番奥の棚に見付けた。
そう、彼女にプレゼントするシュトーレンを買いに来たのだ。
『ジョエル・ロブション』のシュトーレンは結構高価だが、とても美味い。
自分用のシュトーレンはそのままバッグにしまい、彼女用は持ってきたクリスマス仕様の靴下に入れる。
そして『ラ・ブティック・ドゥ・ジョエル・ロブション』の紙袋に入れて出来上がり。
買い物を終え、奥の小さな出入口を出ると、目の前にはウエストウォークのクリスマスツリー。
色がどんどん変わるのが美しい。
外に出ると、もう陽が落ちている。
来るときには点灯されていなかった66プラザのツリーにも灯が点る。
彼女と落ち合うと、車で西麻布に向かう。
『レストランひらまつ レゼルヴ』は白亜の一軒家レストラン。
正面エントランスの前で車を降りると、あれ、正面ドアは閉ざされている。
今夜は横の入り口が使われている。
どちらのエントランスにも、『Hiramatsu』のゴールドプレート。
西麻布は、平松宏之シェフが1982年に奥様と二人で開いた『ひらまつ亭』の所縁の場所なのだ。
エントランスを入ると、クリスマスツリーが迎えてくれる。
クロークにコートを預けると、レトロなエレベーターで三階のメイン・ダイニングに進む。
エレベーター横のサイド・テーブルにも、ガラス製の可愛いクリスマスツリー。
クリスマスになると、どのお店も二部制、三部制になってしまう。
今回も予約の電話を入れると、17時、19時、21時の三部制だという。
たった二時間では食事は出来ないと思い、電話を切った。
すると数分後に坂元支配人から電話が入り、「高原様、大変失礼をいたしました。お好きな時間にお越しいただき、何時まででもお好きなだけお食事をお楽しみください」とのこと。
そこで今夜はお店が開店するとともに訪問し、混む前にゆっくり食事を楽しむことにした。
テーブルに着くと、ソムリエの吉良さんがシャンパーニュをグラスに注いでくれる。
ドゥラモット、ブリュット、”Hiramatsu”。
サロンの姉妹メゾンとして知られるドゥラモット。
そのドゥラモットが『ひらまつ』のために造るスペシャル・キュヴェ。
黄金色の液体の中を、細かな泡が勢いよく駆け抜ける。
グレープフルーツの爽やかな香り。
そのあとに来る、蜜リンゴやブリオッシュのニュアンス。
コート・デ・ブランのグラン・クリュのシャルドネを50%使用し、残りはピノ・ノワールが30%、ピノ・ムニエが20%。
グジェールが届く。
グジェールとシャンパーニは黄金の組み合わせ。
彼女との、楽しいクリスマス・イヴ・ディナーの始まりです。