丸の内のフレンチ、『サンス・エ・サヴール』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
四種類目のワインは、スッド・ウエスト(南西地方)、マディランのアラン・ブリュモンが造る、アルジール・ルージュ、2005年。
アラン・ブリュモンはマディランの地ぶどう、タナを再興させ、フランスを代表するワインに成長させたことから、マディランの帝王と呼ばれている。
タナの語源はタンニンと言うだけあって、とても濃く強い。
そこで、デキャンタージュしてサービス。
色合いは濃いガーネット。
口に含むと、とても濃厚だ。
熟したプラム、カシス、ブラックベリー、黒い土、スパイスのニュアンス。
そして強いタンニン。
ぶどうは80%がタナで、残りはカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランが使われている。
日本一、宮崎牛、ランイチ肉のロティ。
馬鈴薯と北海道産タンタカチーズのプレッセ、パースニップのピュレ、焦がしオニオンのジュー、エスプレッソの香り。
宮崎牛は品評会で日本一三連覇。
今年の優勝牛の生産者の、A5ランクの牛なのだそうだ。
口の中でとろけるような赤身。
凝縮された旨味が素晴らしい。
「美味しい。今夜も幸せ」と彼女。
「僕も君とプルセル・マジックを味わえて幸せだよ」と私。
デセールは、高知県土佐特産新高梨のタタン風パピヨット仕立て、ラムレーズンのアイスクリームと供に。
透明のフィルムで包まれた熱々の新高梨が届く。
それをスタッフが大きなハサミでばさりと切り開く。
すると鴨田シェフが自家製のラムレーズン・アイスクリームを新高梨の上にパカッと乗せてくれる。
これは丸の内ハチミツ。
丸の内に設置した巣箱で採取された、貴重なハチミツ。
あれ、彼女がいっぱい取ったので、残り少なくなっている。
ハチミツを掛け、写真撮影。
「フルーツもお皿も熱いから急いで食べないと溶けちゃうわよ」と彼女。
確かに撮影中にもどんどん溶けてしまう。
急いで口に入れると、素敵な香りと熱々のフルーツと冷たいラムレーズン・アイスクリームが合わさり、素晴らしいハーモニーを奏でる。
「やっぱりプルセル兄弟の料理は素晴らしいわね」
「うん、プルセル兄弟の感性を再現できる鴨田シェフも大したもんだね」
飯田支配人と鴨田シェフに今夜の礼を述べ、満ち足りた想いで店を後にする。
ちょっと余談になるが、これがプルセル兄弟のプロフィール。
先月、弟のローラン・プルセル氏が来日し、自ら腕を振るった食事会が開かれている。
身体が火照っていたので、外を少し歩くことにする
丸ビルの灯りもだいぶ少なくなっている。
今夜のお店は35階だったから最上階のすぐ下だが、高すぎて良く見えない。
東京駅丸の内駅舎の前は、何時まで経っても工事中。
行幸通りを渡ると、彼女は新丸ビルの地下に行きたいと言う。
目的はすぐにわかった。
外は寒くても、濃厚なゴディヴァのソフトクリームは美味い。
写真を撮る前に、がぶりと食べてしまう。
「あれ、写真撮らなくて良いの?」と彼女に言われてフリーズ。
でも、時すでに遅し。
新丸ビルの中にも人影はまばらとなった。
彼女と過ごす丸の内の夜は素敵に更けて行きました。














