二人の何時ものレストラン、『ブラッセリー ポール・ボキューズ銀座』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
今夜の赤は、初めて飲むボルドー。
オー・メドックのシャトー・ドーリヤック、クリュ・ブルジョワ、2009年。
裏のエチケットにはセパージュが書かれている。
メルロー49%、カベルネ・ソーヴィニヨン46%、カベルネ・フランン2.5%、プティ・ヴェルド2.5%。
アルコール度数は14%とボルドーにしてはちょっと高め。
口に含んでまず感じるのは、バランスの良さ。
カシス、ビターチョコ、バニラのニュアンス。
仄かな樽香も心地良く、タンニンはしっかりしているが円やか。
オーク樽で12ヶ月熟成させてリリースされている。
アンガス牛ランプ肉のソテー、じゃがいもと根菜のボルドレーズ、タイム風味のソース・ヴァンルージュ。
この肉も素晴らしい火入れ。
口の中でとろけてしまう美味しさ。
デセールは、ラム酒の薫る焼き林檎、バニラアイスクリーム。
リンゴが丸々1個。
シンプルなデセールだけど、これが美味い。
バニラアイスクリームも林檎に合わせ、今夜は真ん丸。
ディジェスティフは、貴腐ワイン。
シャトー・デュ・モンのサン・クロワ・デュ・モン、2011年。
サン・クロワ・デュ・モンは、貴腐ワインの名産地、ソーテルヌのガロンヌ川の対岸にある産地。
ソーテルヌと近似したテロワールを持ち、良質の貴腐ワインを産している。
食後のコーヒーは美味い。
特にフレンチ・レストランのコーヒーは濃いので好きだ。
「今夜のお料理は何時にも増して美味しかったわ。木下料理長にお礼を言わなくちゃ」と彼女。
「料理もワインも良かったね。君も今夜は一段と綺麗だよ」と私。
「貴方が飲み過ぎたとわかっていても、そう言ってくれると嬉しいわ」
あれ、今夜の彼女はとても素直。
飲み過ぎた時は、銀座を散策することにしている。
バーバリーのショウウインドウも、いつの間にか秋冬物に代わっている。
マックス・マーラは、秋冬物というより、はっきり冬物。
モンクレールのディスプレイは何時も意匠に富んでいる。
今回は等身大の人形が置かれていると思ったら、動いたのでびっくり。
今まさに新しい展示物を設置しているところだった。
ボッテガヴェネタは、シンプルな商品の展示。
シャネルも既に冬物。
ビルの壁面の絵は次々と変わる。
シャネルのマークになったところをパチリ。
ルイ・ヴィトンは、久し振りにマスターズ・シリーズから変わっている。
側面の展示も、同じ意匠。
ブルガリはいつも通り商品展示だが、各ショウウインドウの色使いが綺麗だ。
おや、プラダは生地は厚そうだが、ノースリーブ。
フェンディは何とも怪しげな冬物ディスプレイ。
自転車のスポークが”F”になっているのが面白い。
ベルエポックに流行った自転車を想起させる。
銀座の人通りも少なくなった。
そろそろ家路に就くとしよう。
彼女と過ごす銀座の夜は、素敵に更けて行きました。