代官山のフレンチの名店、『メゾン ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
魚料理は、舌平目と小海老のムニエル、シャンパーニュ風ジューソース、季節野菜のジャルディニエール。
舌平目は、フランス、リヨンの三ツ星レストラン、『ポール・ボキューズ』のスペシャリティー。
この舌平目、かなり肉厚。
ぷりぷりの身が美味い。
赤ワインは、ローヌのシラー。
ドメーヌ・ジョルジュ・ヴェルネ、サン・ジョセフ、テール・ダンクル、2009年。
先代のジョルジュ・ヴェルネは、”コンドリューの父”と呼ばれた、コンドリュー・ワインの品質向上に努めた立役者。
濃厚でありながら、綺麗な洗練されたボディ。
ぶどうは、シラー100%。
軽く燻製をかけた鴨胸肉のロースト、赤ワインソース、オレンジの香り、季節野菜と茸を添えて。
この赤ワインソースは、『ポール・ボキューズ』伝統のソース。
焼き加減が抜群に良い。
添えられている茸は、五種類。
ディジェスティフは、ポート・ワイン。
ロゼス、ヴィンテージ・ポート、2000年。
ロゼスは、ポルトガル系のボルドーのワイン商が創設したポート・ワイン・メーカー。
そのためか、フランスで人気が高いポートである。
17年の時を経て、素晴らしい果実の熟成感、凝縮感を持つ。
ボトルの下部のポートを試しに注いでみた。
どろどろの澱に驚く。
17年ものとはいえ、スティル・ワインよりも澱が多い。
いちじくのロースト、フレッシュのタルト、ヨーグルトのシャーベットと一緒に。
ローストと言っても、見た目はフレッシュ。
二人とも無花果は大好物なので、嬉しいデセール。
「今夜の入砂料理長の料理も素敵だったわね」と彼女。
「最近リヨンの本店で、厨房に入ってしばらく再修業をしてきたそうだよ」と私。
「今夜はリヨンの風を運んできてくれた料理だったのね。美味しかったわ」
「うん、今夜の君も素敵で美味しそうだよ」
「意味不明の話をする時は、酔った証拠ね」
今夜のミニャルディーズは量が多すぎないのでほっとする。
ここでリヨンの本店と同じ料理を食べると、ミニャルディーズに至るまで量が多いのだ。
今夜の料理とワインのお礼を、先﨑支配人と入砂料理長に述べて店をあとにする。
夜風が気持ち良いので、旧山手通りを恵比寿に向かって歩くことにする。
代官山で彼女と過ごす夜は、素敵に更けて行きました。