銀座の『アイコニック』で開催された”美味しい決戦<夏の陣>~2人のシェフが作る魂の料理~”に彼女と共に参加した。
2人のシェフとは、フレンチの『アイコニック』の鈴木健太郎料理長とイタリアンの『アルジェントASO』の浅見淳料理長。
前回『アルジェントASO』で開催された一回目の”決戦”にも参加したが、二人の創意工夫が光る素晴らしい料理の対決だった。
会が始まるまでは、バーコーナーで彼女を待つことに。
お供は、イタリアのリキュール、アペロールを使ったロング・カクテル。
アペロールは、ヴェネト州のバルビエリ社が製造する、ビターオレンジやハーブを使ったリキュール。
アミューズが届く。
トリュフのクランブル、イカスミシュー・サーモンクリームチーズは鈴木料理長から。
グリッシーニとササミ、そして冷涼なカネーデルリは浅見料理長から。
彼女がなかなか来ないので、二杯目はイタリアのレモンを使ったカクテル。
彼女が到着し、メイン・ダイニングへ進む。
人気の会なので、この広いホールが満席になっている。
今夜はどんな料理に出会うことができるのだろうか。
メニューを開き、彼女と共に読み込む。
料理とワインについて二人で意見交換をする、楽しいひと時。
彼女はバーでアペリティフを飲んでいないので、私ももう一杯お付き合い。
ここのホイップバターは美味い。
パンとバターをお代わりしてどんどん食べてしまう。
今夜は、ソムリエの吉野さんがちょっと変わったラインナップを考えている。
最初は、スペインのドライ・シェリー。
デルガド・スレタがマンサニーリャ・サンルーカル・デ・バラメータで造る、マンサニーリャ・ラ・ゴヤ。
豊かなフルーツ香を持ちながら、口に含むとキリリと締まったドライ。
アペリティフに最適なシェリーだ。
ぶどうはバロミノで、ラ・ゴヤは通常のマンサニーリャのシェリーの約二倍、7~8年の熟成を経てリリースされている。
最初の皿は、『アイコニック』の鈴木料理長から。
西瓜とトマトのガスパチョ、長崎県産車海老、愛媛県宇和島産いとより、モンサンミッシェル産ムール貝をちりばめた、冷たいブイヤベース。
サフランの香りのパンが添えられている。
モンサンミッシェルのムール貝は小振りだが、凝縮された旨味が素晴らしい。
軽く皮目を炙ったいとよりと、車海老。
皿に添えられたミントの葉をちぎってスープに浮かべる。
素晴らしい香り。
今朝摘まれた千葉県産のミントなのだそうだ。
続いての料理は、『アルジェントASO』の浅見料理長から。
紀州串本町産縞鯵のカッペリーニ、南半球との架け橋をアクセントにして。
南半球との架け橋とは、ニュージーランドで日本人が作るぶどうのこと。
ぶどうと縞鯵を乗せたカッペリーニとは面白い。
白ワインは、驚いたことにニュージーランドのワイン。
ゴールドウォーター・ワインズが造る、ローズランド・シャルドネ、マールボロ、2005年。
12年の時を経て、素晴らしい熟成感と果実味。
白桃、バター、炒ったナッツのニュアンス。
アルコール度数は14%もある。
吉野ソムリエによると、ゴールドウォーターの上級キュヴェの2005年を買い集めるのは大変だったそうだ。
続く料理は鈴木料理長から。
フォアグラのポワレ、セロリの香るタルトシトロンと、かぐら南蛮のピペラード、サマートリュフとバルサミコのレディクション。
かぐら南蛮は新潟県長岡市で栽培される、大型で肉厚の南蛮(とうがらし)。
香ばしく焼かれたフォアグラの香りが素晴らしい。
レモンのタルトにはセロリのムースが添えられている。
「今夜も美味しいわね。二人の決戦だと、鈴木さんも浅見さんも何時ものメニューとは違った料理を工夫されるので楽しいわ」と彼女。
「でも二人とも事前に手の内を明かさないので、吉野さんがワインの選択に困ったそうだよ」と私。
「それで今夜のワインはちょっと変わったラインナップになっているのかしら」
「あとで吉野さんに考えを聞いてみよう」
こんな会話も楽しい。
銀座のフレンチ、『アイコニック』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。