西麻布の『レストラン ひらまつレゼルヴ』で開催された”第二回特別ワイン会”に彼女と共に出席した素敵な夜の続き。
今夜のテーマは、シャトー・マルゴー。
その前に、同じマルゴー村のワインが出される。
シャトー・ポンタック・ランシュ、クリュ・ブルジョワ、2009年。
このシャトー、立地が良いことで知られている。
シャトー・マルゴー、シャトー・パルメ、シャトー・ディッサン、シャトー・ローザン・セグラに囲まれた場所にあるのだ。
色合いはとても濃い。
出汁系の味わいを持ち、バランスが良い。
2009年という良いヴィンテージであり、まだまだ熟成のポテンシャルを持つ。
オーク樽で12ヶ月熟成され、新樽比率は50%。
セパージュは年毎に若干異なるが、ぶどうの作付面積は、メルロー45%、カベルネ・ソーヴィニヨン35%、カベルネ・フラン15%、プティ・ヴェルド5%。
肉料理の第一の皿は、藁の香りを纏った鴨胸肉のロースト。
野菜は、水茄子とインゲン。
藁のスモーク香が心地良い。
マグレ鴨は旨味が詰まったしっかりとした肉質。
火入れも最高で美味い。
いよいよシャトー・マルゴーの出番。
ヴィンテージは2001年。
昔はレストランでも8万円位で飲むことが出来たが、今ではワイン・ショップでもそれ以上の価格になってしまい、手が届かなくなった。
濡れ具合も良く、香りも素晴らしい。
実にエレガント。
色々感想を書こうと思ったが、私などが評価するのは失礼なので、止めることにする。
グラスがとても大きいので少なく見えるが、たっぷりの量が注がれている。
シャトー・マルゴーに合わせる料理は、軽くポッシェした和牛、玉蜀黍とジロール茸のエチュベ、ソースペリグー。
エレガントなシャトー・マルゴーに、柔らかな和牛の腿肉が良く合う。
軽いトリュフの香りも心地良い。
とうとう飲み干してしまった。
グラスに残ったシャトー・マルゴーを愛しむように味わう。
となるとフロマージュも食べたくなり、ワゴンを出してもらう。
私が選んだのは、白カビは熟成の進んだブリー、ブルーはロックフォール、そしてウォッシュはエポワス。
フロマージュを食べると赤ワインが足りなくなり、残ったシャトー・ポンタック・ランシュをいっぱい注いでもらい、フロマージュに合わせる。
食後のディジェスティフは、シャトー・デュ・モンが造る、サン・クロワ・デュ・モン、2011年。
サン・クロワ・デュ・モンはソーテルヌの対岸の貴腐ワインの産地。
甘い貴腐ワインがいっぱいになったお腹を癒してくれる。
樹齢60年のセミヨンから造られた、素晴らしい貴腐ワインである。
デセールは、桃のコンポート、マラスキーノ風味のグラニテと共に。
桃のコンポートの下には、自家製バニラアイスクリーム。
甘い桃のコンポートとバニラアイスクリームに、マラスキーノ=サクランボ・リキュール味のグラニテの爽やかな味わいが良く合う。
「今夜の料理もワインも素晴らしかったわ。ありがとう」と彼女。
「その”ありがとう”は、内木場料理長と坂元支配人に話した方が良いよ」と私。
お腹はいっぱいだが、ミニャルディーズまで完食。
挨拶に来てくれた内木場料理長と、今夜の料理について意見を交わす時間が楽しい。
夜も更けたので、お店の皆さんに礼を述べ、店をあとにする。
西麻布から、六本木までふらふらと散策。
今夜も飲み過ぎ食べ過ぎのようだ。
「ねえ、ここ見ていい?」と彼女。
こんな夜遅くまで開いているブティックがあるとは、今まで気が付かなかった。
展示されているのは、全てフランスからの直輸入品。
色使いやデザインはとても素敵なのだが、日本人女性にはちょっとサイズが大きいようだ。
私はこんな色鮮やかなデザインが好きなので、このお店は気に入った。
照明が当たっているので写真では色が出ないが、黄色が鮮やかで美しい。
さて、どのドレスを買ったかは、ヒ・ミ・ツ。
買い物を済ませると、六本木ヒルズに向かう。
ウエスト・ウォークに立ち寄ってみたが、もう閉館ですと、ガードマンさんに追い出されてしまった。
メトロハットから、六本木交差点方向に向かうことにする。
上を見上げると、私も空を飛んでいるような気分に。
今夜は酔っているようだ。
彼女と過ごす、西麻布、六本木の夜は素敵に更けて行きました。