昼前に起床し、ホテルに手配してもらった車で予約しておいたお店に昼食に向かう。
歩いても30分程度の距離だが、日差しが強い日中は彼女を歩かせたくない。
車だと数分で着く距離。
でもバンコクは渋滞がひどいので、20分近くかかってしまう。
ソイ31の道沿いには、好きなレストランがある。
『ベラ・ナポリ』を過ぎ、さらに『アントニオス』も過ぎ、ずっと北に進む。
横道を右にちょっと入ると、大きな民家が現れた。
向かったお店は、スクムウィット、ソイ31の『サヤーム・ウィズダム』。
日本企業も接待で使う、高級店である。
外階段を上り、二階のダイニング・ルームに向かう。
玄関のドアを抜けると、目の前には壁に開いた大きな窓。
窓の中には家を貫いて生えている”ご神木”。
60年前にアユタヤからこの邸宅を移築した時にここに生えていた樹が大きくなったのだそうだ。
三角屋根が高くガラス窓が大きいため、広い空間はとても明るい。
私達のテーブルは、ご神木のちょうど裏側の店の真ん中。
ホテルから予約しておいたので、良いテーブルを用意してくれたようだ。
タイ料理のお店では、ナイフは出されない。
ナイフを必要とする硬い料理は無いのだそうだが、それでも切り分けたい時がある。
そんな時はスプーンで切るのだ。
彼女は普段はカクテルを飲まないが、南国に来るとフルーツカクテルを飲みたくなるのだそうだ。
ウォッカをパイナップルで割って作ったカクテルは、酸味があって甘くなく美味しいそうだ。
さすが高級店、ワインも色々揃っている。
タイは酒類の輸入関税がとても高いので、レストランでの価格は驚くほど。
日本の酒販店で買えばで1,500円~1,600円のワインが、バンコクのレストランでは8,000円程度にもなってしまう。
それでも暑いバンコクで冷えた白ワインは美味い。
選んだワインは、ニュージーランド、ネルソンのミスター・ライトバンド、ソーヴィニヨン・ブラン、2014年。
グレープフルーツの香り、豊かな果実味、活き活きした酸味。
価格を考えなければ、美味いソーヴィニヨン・ブランだ。
アミューズブーシュが届く。
これは何なのか不明だが、美味い。
ココナッツは、この葉っぱでくるんで食べる。
続いて、ランチセットが届く。
私のメイン料理は、チキンの醤油煮込みのようなもの。
見た目ほど味が濃くなく、美味しい。
彼女は豚の醤油煮込みを注文。
トムヤム・カイは強烈に辛いが、癖になる美味しさ。
トムヤムはクン(エビ)かと思ったらカイ(チキン)だったので、私はメインと重なってしまった。
野菜の春巻き。
ソースが複雑な味で興味深い。
これは何だったか、説明を聞いたが忘れてしまった。
ちょっと甘みがあって美味い。
ここのジャスミンライスはとても美味い。
タイ米を買って帰っても、日本の炊飯器で炊くと美味しくない。
素焼きの壺で蒸すのが一番美味しそうだ。
〆はパッ・タイ。
とても大きな海老が乗ってきた。
パッ・タイは街の屋台で食べれば30バーツ(100円ほど)だが、これは庶民食とは言えない盛り付け。
海老やフレッシュパパイヤ、モヤシの下に、麺がかろうじて見える。
薬味セットも届いたが、肝心のナンプラーが無いので、追加で持ってきてもらう。
二人に取り分けるのは、私の役目。
麺の量が思った以上に多く、二つに分けてもたっぷり。
お腹はいっぱいだが、美味しいので残さず完食。
デザートは、スイカとリンゴ。
チェックを頼んで、ちょっと驚く。
この昼食で15,000円はさすがに高い。
バンコクの物価も上がっているが、円が安くなっているのも恨めしい。
食後に、お店のオーナーが建物を案内してくれた。
日本企業が接待で使う時は、個室を利用するとのこと。
ここは6~8人用の部屋。
室内に専用のトイレも付いている。
ここは4人用。
大きな部屋は、10人から20人のパーティーに使えるそうだ。
面白いのは、各部屋のドア。
鴨居も低く、敷居の高さが床から30cmほどもある。
オーナーによると、古いアユタヤ式の建築の特徴で、部屋からお金が流れ出ないようにとの意味があるのだそうだ。
店に呼んでもらった車に乗り、プロムポン駅近くのソイ43に向かう。
彼女がタイの雑貨を買いたいと言うので、土産物雑貨店に行くことにしたのだ。
このお店は、クーン。
ガネーシャの像がいっぱい置かれている。
ヒンドゥー教の神様だが、商売の神様なので人気があるようだ。
タイ各地で作られる、色々な民芸品があって面白い。
次のお店は、チムリム。
竹籠のバッグが素敵だ。
焼き物やノニソープもずらりと並ぶ。
買い物が終われば、次のお楽しみが待っている。
バンコクの休日は続きます。