7月14日はパリ祭ディナー、メゾン ポール・ボキューズ、代官山 2 | ワインは素敵な恋の道しるべ

ワインは素敵な恋の道しるべ

白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

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代官山の『メゾン ポール・ボキューズ』で開催された『ひらまつ』グループの”パリ祭ディナー”に彼女と共に参加した素敵な夜の続き。

今夜のメニューには、『ひらまつ』の名前と共に、今年がフランス革命から228周年であることがフランス語で書かれている。

そして、絵が面白い。

ドラクロワの「民衆を導く自由の女神」かと思ったら、何ヶ所か原画から描き変えられている。

 

この原画と見較べると、一目瞭然。

自由の女神が女性シェフとなり、少年が銃ではなくワイングラスを持っている。

そして折り重なる死体の構図は削除されている。

パトモスさん流に言えば、「民衆を旨い料理に導く自由の女神シェフ」である。

 

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魚料理は、穴子と鱸と帆立のムースリーヌのフイユテ、ソース・ショロン。

穴子、鱸、帆立を層状に重ね、パイ包み焼きにした料理。

食べ進むと、スタッフがテーブルを回ってソース・ショロンをたっぷりと注ぎ足してくれる。

レモンの切り身もトリコロールになっている。

 

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鱸のパイ包み焼きは、ポール・ボキューズ氏が『ラ・ピラミッド』のフェルナン・ポワン氏から伝えられた料理で、元々はブールブラン・ソースが使われていた。

これをポール・ボキューズ氏が進化させ、酸味の効いたショロン・ソース(ベアルネーズ・ソースにトマトピューレを加えたもの)を使うようにした。

今夜の入砂料理長の料理は、この伝説的な鱸のパイ包み焼きをアレンジしたものなのだ。

 

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赤ワインは、ボルドー、サンテステフのシャトー・フェラン・セギュール、2008年。

モンローズとカロン・セギュールに隣接するという好立地のシャトー。

サンテステフのクリュ・ブルジョワ・エクセプショネルに格付けされている。

 

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とてもエレガントで繊細なボディ。

熟成を経てタンニンは滑らか。

セパージュは、メルロー50%、カベルネ・ソーヴィニヨン50%。

 

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肉料理は、仔羊のロースト、シャンピニオンのクルート、バジルの香るジュ・ソース。

 

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「肉厚が凄いわね。こんなラム、大好き」と彼女。

彼女はかなりの肉食女子で、ラムの厚みが薄いと機嫌が悪くなる。

ラムはニュージーランド産。

ジュ・ソースは、仔羊の骨とマルサラ酒を煮詰めて作られている。

 

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ディジェスティフは、アルザスのスイート・ワイン。

アルザスで最高ランクと評価される、ドメーヌ・ヴァインバック、キュヴェ・ローランス、ゲヴュルツトラミネール、2009年。

ドメーヌの設立は1612年と古く、1898年に現在のオーナー一族の所有となっている。

 

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濃厚な甘さの中に、果実の熟成感がしっかりと感じられる、繊細で丁寧な造り。

現在は、亡くなった先代オーナーの夫人、コレット女子と長女カトリーヌ(ドメーヌ経営)、次女ローランス(ぶどう栽培、醸造)の女性三人で運営されている。

ぶどう栽培は、ビオディナミ。

 

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デセールは、ピーチメルバ、”メゾン ポール・ボキューズ”風。

 

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これは美味い。

でも、ヴォリュームが半端ではない。

 

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今夜のコーヒーカップはシンプル。

出席者があまりに多いので、何時もの金をあしらったカップは数が足りないようだ。

 

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ミニャルディーズが届く。

入砂料理長のミニャルディーズは、ちょっとしたデセールくらいの量がある。

今夜のパーティーは素晴らしく楽しかった。

同席された方々も皆さんフレンチ好きの素敵な方々で、初対面にもかかわらず、お話しが弾んだ。

先﨑支配人、入砂料理長、竹内シェフ・ソムリエ、石井ソムリエと挨拶を交わし、店をあとにする。

 

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お腹がいっぱいで酔っているときは、夜風に当たりながらの散策が気持ち良い。

「このお店、見なくて良いの?」と私が足を止める。

「どうして私が好きそうなお店だとわかるの?」と彼女。

彼女が着ると似合いそうな素敵なサマードレスがいくつも展示されている。

二人でドレスを選び、彼女の試着姿を眺める。

気が付くと、金曜日の夜は既に深夜。

彼女と過ごす代官山の”フランス革命記念日”の夜は素敵に更けて行きました。