フランスのミシュラン三ツ星レストランの東京店、丸の内の『サンス・エ・サヴール』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
二本目の白ワインは、ルーション地区のスター・ドメーヌ、ドメーヌ・ゴビーのコート・カタラン、ヴィエイユ・ヴィーニュ、2009年。
豊かな果実味、炒ったアーモンドや柑橘類のニュアンス。
綺麗な酸やミネラルも持っている。
自然酵母を用い、清澄、濾過は行っていない。
セパージュは複雑で、マカブー40%、グルナッシュ・ブラン30%、シャルドネ15%、グルナッシュ・グリ10%、カリニャン・ブラン5%。
青森県直送 天然鱸のオフー、地中海風スープ・ド・ポアソン、志布志市産ひのひかりと柔らかなヤリイカのミネストローネ。
魚介類の濃厚なスープが、蒸された鱸によく合って美味い。
白ワイン二種の飲み較べも楽しい。
右が、クローディ・ジョバールのリュリー、2009年。
左が、ドメーヌ・ゴビーのコート・カタラン、ヴィエイユ・ヴィーニュ、2009年。
今夜の赤ワインはローヌのファミーユ・ペランが造る、クードレ・ド・ボーカステル、2009年。
ファミーユ・ペランは南ローヌを代表する造り手。
そのフラッグ・シップ・ワイン、シャトー・ド・ボーカステルの畑の隣の畑で収穫されるぶどうで造られる、セカンド的なワイン。
豊かな果実味と熟成感を持つ、素晴らしいワインだ。
今夜は、白二種と赤一種の全てをグレート・ヴィンテージの2009年で統一したのも面白い。
セパージュは、ムールヴェードル30%、グルナッシュ30%、シラー20%、サンソー20%。
鹿児島県産薩摩黒牛のロティとケフタ、スパイス香る蜂蜜、ズッキーニのグリエ、ジャガイモとコンテチーズのモワルー、ハーブのコンディメントソースと共に。
柔らかな赤身の薩摩黒牛は、絶妙の焼き加減。
コンディメントソースと合ってすこぶる美味。
ソースを掬うのに、パンは必需品。
クッペの次は、バゲット。
普通のフレンチのコースは肉料理の次はデセールなのだが、今夜はちょっと変わっている。
冷製カペッリーニ、クレオール風スイカと赤玉葱のヴィネガーソース、セモリナ粉を纏った稚鮎のフリット、ヨーグルトとウォッカのエスプーマ。
カペッリーニは別皿で届く。
肉料理のあとに冷製パスタを出すとは、驚き。
こんな遊び心のあるフレンチも楽しい。
さすが”モダン・キュイジーヌの旗手”と呼ばれ、地中海料理を得意とするプルセル兄弟のお店だけある。
デセールは、アーモンドとココナッツムースのクロッカン、グリオットチェリーのアクセント、ライチとピンクグレープフルーツのソルベを添えて。
今夜も良く食べ、良く飲んだ。
締めのハーブティーがいっぱいになったお腹を癒してくれる。
ミニャルディーズは、塗り物の器で出される。
蓋には、さりげなく店の名前が
蓋を開けると、マカロン、カヌレ、ジュレ。
今夜の料理も楽しく美味しかった。
飯田支配人と鴨田料理長、そして佐々木ソムリエにお礼を述べて店をあとにする。
彼女と過ごす丸の内の夜は、素敵に更けて行きました。