銀座の何時ものフレンチ、『ブラッセリー ポール・ボキューズ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
今夜は赤ワインも、アラン・ブリュモン。
シャトー・ラロッシュ・ブリュモン、グランジ、2009年。
白も赤もヴィンテージは2009年。
マディランの皇帝、アラン・ブリュモンらしく、濃く強い。
それでもタナ100%のシャトー・モンテュス、キュヴェ・プレステージに較べると、柔らかくエレガント。
比率は不明だが、タナにカベルネ・フランが入っている。
この赤も、白と同じくアルコール度数は14.5%と高い。
肉料理は、ローズマリー薫る鶏腿肉のコンフィ、粒マスタードソース。
大きさを見ると、ひな鳥の腿肉。
ローズマリーの香りが素晴らしい。
柔らかくプリプリの身がジューシーで美味い。
味がしっかりしているので、強い赤ワインでも大丈夫。
ディジェスティフは、バーディネのキルシュ(サクランボ)のリキュール。
バーディネはフランス、ボルドー北部にある歴史あるリキュール・メーカー。
キルシュのリキュールは、ヨーロッパではよく飲まれる食後酒。
ドイツでもキルシュ・ヴァッサーが有名。
私は好きだが彼女は苦手なので、私が二杯飲むことになる。
アルコール度数は40%で、消化促進効果があると言われている。
デセールは、アメリカンチェリーのコンポート、バニラアイスクリーム添え。
キルシュのリキュールとチェリーのコンポートの共演。
なかなか気が利いていて面白い。
「今夜の木下シェフのお料理も美味しかったわね。あとでお礼を言わなくちゃ」と彼女。
「君から美味しかったと言われると、木下さんも喜んでくれると思うよ」
「え、貴方が言った方が木下さんは嬉しいと思うわ」
大友ソムリエにお礼を言って席を立つ。
エントランスに出ると山辺支配人が見送ってくれるが、今夜は木下シェフには会えなかった。
思わず二人で目を合わせ、微笑んでしまう。
マロニエゲート1を出ると、中央通り方面にのんびり歩く。
お隣の旧プランタン銀座、今のマロニエゲート2では、大量の切り花が到着していた。
どの花も美しく、これだけ量が揃っているととても華やかだ。
これらの花々が、明日の店頭を飾るのだろう。
マックス・マーラのウインドウのディスプレイは、再びモノトーン調に替わっている。
デビアスの前に来ると、今夜も飲み過ぎかと思ってしまう。
カルティエもブルガリも美しく輝く。
日中は暑くなっても夜になると気温が下がるので、銀座散策も気持ちが良い。
ルイ・ヴィトンのディスプレイは本当に良く替わる。
今度は、フィンセント・ファン・ゴッホ。
この絵が動くので、目を惹く。
現代アートの巨匠、ジェフ・クーンズとのコラボ商品、「マスターズ」の展示なのだ。
サフランさんがお好きなショーメと、彼女が好きなヴァン・クリーフ&アーペルが並んでいるとは面白い。
ヴァンクリはGINZA SIXにも大きな路面店ができている。
夜も遅くなり通行人は減ったが、車の量はまだ多い。
彼女と過ごす銀座の夜は素敵に更けて行きました。