西麻布のフレンチ、『レストラン ひらまつ レゼルヴ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
飲んでいるワインは、ドメーヌ・ド・シュヴァリエがソーテルヌで造る、クロ・デ・リュンヌ、キュヴェ・リュンヌ・ダルジャン、2012年。
魚料理は、イトヨリのア・ラ・ブランチャー、おかざき農園フルーツトマトのロースト、バジルの香り、ソースブールブラン。
ア・ラ・プランチャーは、鉄板焼き。
このフルーツトマト、甘みが凝縮されて美味い。
ブルゴーニュの泡、ボルドーの白の次は、ボルドーの赤。
メドックのシャトー・オー・モーラック、クリュ・ブルジョワ、2009年。
良いヴィンテージに期待が膨らむ。
濃いガーネット。
ふくよかな果実香。
プラムやブラックベリーの果実味と、シルキーなタンニン。
素晴らしいフルボディだ。
ぶどうは、メルロー主体。
北海道産鴨肉のパイ包み焼き、オレンジ香る季節野菜のグレック、タイム風味の赤ワインソース。
グレックは、カリフラワー、ブロッコリー、小玉葱等を香草と一緒にオリーブオイル風味で煮て冷ました料理。
「このパイ包み焼き、美味しいわ。さすが内木場シェフね」と彼女。
実は彼女はパイ包み焼きはあまり好きではなく、肉そのものをグリルで食べるほうが好みなのだ。
「内木場さんは野菜に拘っているから、どの料理も野菜が素晴らしく美味しいね」と私。
食後のディジェスティフは、ファミーユ・ペランが造る、ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズ、2010年。
ファミーユ・ペランは、南ローヌを代表する造り手。
シャトー・ド・ボーカステルを保有していることでも有名。
ブラピとアンジーが共同保有している(または、していた)シャトー・ミラヴァルの運営を託されているのも、このファミーユ・ペランなのだ。
ミュスカ・ド・ボーム・ド・ヴニーズは、ミュスカで造られた発酵中のワインにブランデーを加え、発酵を止めて甘みを残したスイート・ワイン。
アルコール度数は15%。
ハチミツやパッションフルーツ、アプリコットやピーチのニュアンス。
食後に飲むスイート・ワインは美味い。
デセールは、キルシュ香る苺のグラタン、ソルベフランボワーズ、柑橘のテュイルを添えて。
立てられたテュイルがアクセントとなっている。
苺のグラタンと言っても、苺が丸のままごろごろ入っている。
適度に酸味のある苺が美味い。
「ここは貴方のお陰で皆さん良くしてくれるから、寛げるわね。好きよ。次は2階のメイン・ダイニングで食事をしたいわ」
「君と一緒だから、皆さん良くしてくれるんだよ。早いうちに2階で食事をすることにしよう」
「メインダイニングがどんなインテリアになったのか楽しみ」
実は彼女に秘密で、次の予約をもう入れているのだ。
ミニャルディーズは、マシュマロ、マカロン、生チョコレート。
今夜はカロリー摂取過多。
明日はジムでしっかり身体を絞らなければと思う。
坂元支配人、内木場料理長が挨拶に来てくれる。
お二人との今夜の料理とワインに関する会話も楽しい。
続いて、応援で来られていた『リストランテASO』の岡田ソムリエ、『メゾン ポール・ボキューズ』の小西ソムリエが挨拶に来てくれた。
「ASOにもメゾンにも行かなくちゃならないわね」と彼女は嬉しそう。
「そんなに色々顔を出していたら破産しちゃうよ」と私。
でも、きっと行くことになるのだろうと思う。
地階のパーティー・ホールから1階へはレトロなエレベーターもあるが、この階段を上るのが好きだ。
上から見下ろすと、階段に置かれた大きなローソクがゆらゆらと輝きを放っている。
「お腹いっぱいだから歩きたい」と言う彼女と肩を並べ、西麻布から六本木ヒルズまで散策。
ウエスト・ウォークにも入ってみたが、もう時間が遅く人影はまばら。
お腹もこなれてきたので、そろそろ帰途に就くことにしよう。
彼女と訪問した、『レストラン ひらまつ レゼルヴ』での楽しい夜でした。