川越の蔵造りの町で彼女と過ごす楽しい休日の続き。
昼食に『いちのや本店』で鰻を食べ、蔵の街を散策し、芋菓子を食べ、いっぱい買い物をした。
彼女が疲れたというので、カフェで一休み。
選んだお店は、『ライトニング・カフェ』。
ここは、河越抹茶を飲むことができるカフェ。
南北朝時代、河越氏が治める武蔵河越の地は天下の茶所として知られていた。
戦国時代に途絶えたこのお茶を復活させたのが、河越抹茶なのだ。
店の場所は、『時の鐘』のすぐ隣の二階。
でも店内に観光客の姿はなく、賑やかな通りに面しているとは思えない静けさに包まれている。
彼女は抹茶スムージー。
私は、抹茶ラテ。
お茶の香りが素晴らしく、驚くほどの美味しさ。
元気が戻ると、早めの夕食を取りに向かう。
蔵造りの街には、着物が似合う。
若い女性はここまで来て、着物レンタル屋さんで着替えているようだ。
予約しておいたお店は、『もとはし本店』。
ここは炭火焼き鳥のお店。
川越に住む友人一押しのお店である。
店の正面には何も書かれていないので、一度通り過ぎてしまった。
「もう入っていいですか?予約した高原です」
「お待ちしていました。どうぞお入りください」と明るい声が返ってきた。
カウンターに座ると、目の前には焼き鳥の串が並ぶ。
綺麗な串の仕事が気持ち良い。
開店してまだ三年目なのだそうだが、古い民家を使っているので、店内は古色蒼然としている。
それほどお腹が空いていないので、まずは冷えた白ワインでぼちぼち始めることにする。
キザンワイン、白、2015年。
山梨、甲州市塩山の機山洋酒工業のワイン。
ぶどうは甲州100%。
すっきりとした辛口で、予想以上に美味い。
アルコール度数が11.5%と低いので、グイグイ飲めてしまう。
焼き鳥のお供は、シラスおろし。
白ワインに合わせたのは、クリームチーズの西京味噌付け。
ドライフルーツが入ったクリームチーズに味噌の香りが良く合って美味い。
蛸とアボカドのサラダ。
これは面白い食材の組み合わせだ。
鶏のたたき。
さすが焼き鳥屋さんの鶏料理、とても美味い。
白をあっという間に飲んでしまったので、赤ワインを抜栓。
バローロを注文したが、品切れ。
焼き鳥屋さんではバローロを飲む人は居ないようだ。
そこで、アブルッツォ州のヴィニコーラ・オレアリア・カサラリアが造る、モンテプルチアーノ・ダブルッツォ、ヴァガボンド、2011年を選んだ。
新しいワイナリーで、初ヴィンテージは2004年。
濃いルビー色。
ダークチェリーやプラムのニュアンス、豊かな果実味と円やかなタンニン。
アルコール度数は13.5%と丁度良い。
ヴァガボンドとは、放浪者という意味。
最初の焼き鳥は、はつ。
これはジューシーで美味い。
ひな肉おろし。
これは、ここで食べるべき名物料理。
ふりそで。
手羽元と胸肉の間にある希少部位。
しっとりとした肉質に旨味が詰まっている。
この二本も希少部位で、一日に数串しか取れないレア品。
左がアカ、右がソリレス。
アカは、もも肉の上部にある赤身の小さな塊。
ソリレスは、フランス語で「馬鹿はそれを残す」という意味で、腰骨の付け根の窪みに付いた肉。
これはつなぎ。
心臓と肝臓を繋いでいる部分で、これで1.5羽分。
今日は3串しか取れなかったとのこと。
二人で食べてしまうと、残り1串。
ここからは定番メニュー。
ハラミは横隔膜の背中側。
柔らかさが身上。
〆は、きも。
ここでは塩で出される。
中は半生でとろける美味さ。
お店からのサービスの、フルーツトマト。
店長の友人が栽培されているとのことで、フレッシュで甘みがあり美味い。
さて、そろそろ帰ることにしよう。
店長の本橋さんとサービスの菅原さんの見送りを受け、店をあとにする。
彼女と過ごす、楽しく美味しい川越散歩でした。