マタギ料理とスッド・ウエストの出会いの会、ニコ・チェルシー、茅場町 | ワインは素敵な恋の道しるべ

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白ワインは天使の如く貴方の心を解き放ち、赤ワインの真紅のグラスの底には悪魔が潜む。そして貴方は天使の如く大胆に、悪魔の如く繊細に、新たな恋の道を歩み始める。

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ジビエ料理専門店、『ニコ・チェルシー』でワイン会を開催。

場所は茅場町と八丁堀の中間辺りの狭い路地裏で、築60年の民家を改造したお店。

 

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ここはジビエの、というよりマタギ料理のお店。

店の入り口には、今日入荷した肉が貼り出されている。

 

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今夜は二階の個室を予約。

上った階段を見下ろしてみると、酔って下るのは危険そうだ。

 

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個室は一つしかないので、早めに予約をしておいた。

今回のテーマは、「マタギ料理とスッド・ウエストの出会い」。

参加者は、ayaさん、KEiさん、kennyさん、nekonekoさん、Yさんと私。

 

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フランス南西地方、スッド・ウエストで選んだ造り手は、マディランのドメーヌ・アラン・ブリュモン。

マディランの地ぶどう、タナから造られるワインの品質向上に努め、その素晴らしさを世界に知らしめた人物。

この功績からマディランの皇帝と呼ばれ、フランス国家最高勲章、レジオン・ドヌールを受賞。

最初のワインは、ガスコーニュ・ロゼ、2015年を2本。

このワインのセパージュはとても複雑。

タナ55%、シラー20%、メルロー15%、そしてコロンバール、グロ・マンサン、プティ・クルビュが合わせて10%。

 

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鹿と胡桃のポテサラ。

マヨネーズは使用していないが、味に深みがあって美味い。

 

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自家製フランスパン。

このお店には何度も来ているが、フランスパンまでここで焼いているとは知らなかった。

 

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三本目のワインは、シャトー・モンテュス・ブラン、2011年。

アラン・ブリュモンが1978年に父親から引き継いだ畑は、20haのシャトー・ブースカッセ。

その後アランはマディランの良い畑を買い続け、今ではシャトー・ブースカッセに80ha、シャトー・モンテュスに80ha、ガスコーニュに20haの畑を有している。

 

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透明感のある濃い黄金色。

熟した洋梨、バター、ブリオッシュのニュアンス。

強い熟成感と果実味を持つ、芳醇なボディ。

セパージュは、プティ・クルビュ80%、プティ・マンサン20%。

 

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葉野菜のサラダ。

この料理にはジビエ肉は入っていない。

 

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三重の日本鹿、熊本のイノブタだったような・・・、もう一種類は忘れてしまった。

 

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蝦夷鹿もものタルタル。

この店の一番人気メニューで、私もここに来ると必ず注文している。

 

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赤ワインを飲み較べのため二本同時に抜栓。

一本は、シャトー・ブースカッセ、2011年。

ブースカッセは、ブリュモン家が1836年から保有するワイナリー。

 

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もう一本は、シャトー・モンテュス、2011年。

シャトー・モンテュスの評価は高く、フランスの三ツ星レストランのほとんどでオンリストされている。

トム・クルーズが気に入り、自家用ジェットで買いに来ることでも有名。

 

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左がブースカッセ、右がモンテュスで、どちらもヴィンテージは2011年。

色合いに大差はない。

どちらも果実味にあふれ、強いが洗練されたボディ。

ブースカッセのセパージュは、タナ65%、カベルネ・ソーヴィニヨン25%、カベルネ・フラン10%。

モンテュスのセパージュは、タナ80%、カベルネ・ソーヴィニヨン20%。

タナの語源はタンニンで、とても強いタンニンを持つ品種。

ぶどう品種の中でもタナは、ポリフェノール類の一種、”オリゴメリック・ポロシアニジン”の含有量が最も高く、心筋梗塞や狭心症の予防に効果があるとの研究成果が出されている。

 

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白インゲンと猪ベーコン煮込み。

猪の脂が良い味付けになっていて美味い。

 

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ジビエミートと南瓜のグラタン。

今日のジビエミートは、羆(ヒグマ)。

 

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兎のパイ包み焼き。

これは美味そうだが切り分けるのが大変。

nekonekoさんが器用に取り分けてくれた。

 

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私の皿は、こんな感じ。

中に兎のミンチがたっぷり詰まっている。

 

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6本目は、今夜の目玉ワイン。

シャトー・モンテュス、キュヴェ・プレステージ、1999年。

ドメーヌ・アラン・ブリュモンを代表する、タナ100%のワインである。

 

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少し紫がかった濃いガーネット。

口に含むと、素晴らしい果実の凝縮感。

カシスやプラム、そしてダークチョコレートのニュアンス。

18年の熟成を経てタンニンは強いが円やか。

余韻は長い。

やはり素晴らしいフルボディだ。

熟成は新樽100%で14~16か月、ノンフィルターでボトリングされている。

 

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今夜のメイン料理は、ジビエ炭火焼二種盛り。

肉は、蝦夷鹿と猪・・・だったような気がする。

この辺りになると酔いが回り話も弾んで、料理の説明を聞いてもすぐに忘れてしまう。

 

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旨味がしっかりあって美味しかったが、今夜の肉は少し硬かった。

それとも酔いで咀嚼能力が落ちていたのだろうか。

 

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〆はシェフの賄いパスタ。

使われている肉は、雉。

ここの賄いパスタは意外性があるので楽しく美味い。

 

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スマホのカメラも酔ってしまったようだ。

 

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コルクも良いものを使っている。

長さも充分だし、弾力性も良い。

 

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コルクの上面にはヴィンテージが刻印されている。

 

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ワインに接する下面も見てみると、なんとここにもヴィンテージ。

手前側のシャトー・モンテュスの2011年(左)と1999年(右)は着色で見えにくいが、ちゃんと刻印が入っている。

奧側の左はモンテュス・ブランなので着色が無いが、面白いことに右のブースカッセはモンテュスと同じ2011年だが着色が少ない。

 

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今夜飲んだボトルに見送られ、店をあとにする。

楽しい時間をご一緒していただいた皆様、ありがとうございました(^^♪