広尾の吉野建さんのお店、『ラ・トルチュ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
白ワインを飲み干すと、抜栓しておいた赤を飲むことにする。
このお店で前回はブルゴーニュを飲んだので、今夜はボルドーを選択。
オー・メドック、シャトー・シサック、2012年。
オー・メドックのクリュ・ブルジョワの中で、最も評価の高いシャトーである。
テイスティングをした時はタンニンが強くとても硬かったが、早めにグラスに注いでおいたので、徐々に開いてきた。
カベルネ比率が高い典型的なメドック・タイプの美味しいワイン。
セパージュはカベルネ・ソーヴィニヨン75%、メルロー20%、プティ・ヴェルド5%で、ヴィンテージによる変動はない。
コルクの長さは充分。
濡れ具合も香りも良い。
ボトルの裏面を見て驚いたが、肩の部分に澱がべったり付いている。
カベルネソーヴィニヨン比率が高いだけあって、澱も大きな鱗状。
メイン料理は、二人とも同じものを選んだ。
仔羊のロースト、パセリパン粉バターを仕上げに。
ラムは、オーストラリア産。
付け合わせの野菜が素敵だ。
ホワイトアスパラガスに加え、これは蕗の薹。
圧巻はこの肉の厚み。
5cmほどもあり、切り分けると中は真っ赤。
柔らかくジューシーでたまらない美味しさ。
肉を食べ終えても赤ワインが残っているので、今夜のお薦めのフロマージュを出してもらう。
何時ものとおり、香りが強く臭いものを、とリクエスト。
ブルーチーズは、黄色いブルーで有名なシュロップシャーブルー。
次は香りの強いセミハードタイプだが、名前を失念。
もうひとつは、熟成の進んだカマンベール。
彼女が頼んだデセールは、本日のデセールということで名前を聞いたが、忘れた。
チョコレートムースのような感じ。
私は、大好きなババ・オ・ラム。
甘いラムの香りが素晴らしい。
強くトーストされたコーヒーが美味い。
ミニャルディーズをつまみながら、猪口シェフとおしゃべり。
今夜の食事の礼を述べ、店をあとにする。
店を出ると、外苑西通りを西麻布方向に散策。
しばらく歩くと、彼女の足が止まった。
「ね、このお店美味しそう」と言って、私の顔を見る。
お店の名前は、『ブレッド & タパス サワムラ』。
「え、まだデザートを食べるの?」と私。
ここで更に食べることは断固拒否。
代わりにケーキ二個を買い、彼女にプレゼント。
西麻布交差点を右折し、六本木ヒルズに至る。
66プラザを抜け、イベント・エリアに下る。
何のイベントをやっているのだろう。
既に営業を終了していて中には入れないが、外から覗くと、「Sakenomy @CRAFT SAKE WEEK」なのだそうだ。
毛利庭園の桜はまさに満開。
照明が当てられた夜桜が美しい。
池に映った桜が、幻想的。
でも、サフランさんが撮影した写真の方が綺麗。
「とても綺麗。来てよかったわね」
「本当に綺麗だね。君もだよ」
桜越しに東京タワーが小さく見える。
この写真も、サフランさんの撮影では東京タワーがはっきり映っていた。
被写界深度を深くして撮りたいところだが、スマホの限界。
桜坂の上から、更に東京タワーを撮影。
広尾、六本木で彼女と過ごす夜は、素敵に更けていきました。