南青山の人気の中華、『ミモザ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
料理が美味いので、白ワインのボトルをあっという間に飲み干してしまった。
抜栓しておいた赤ワインを出してもらう。
ドメーヌ・ドゥレイ・フレールが造る、モントル・キュ、ブルゴーニュ、2013年。
フィサンに本拠地を置く、歴史あるドメーヌのワインである。
モントル・キュはディジョン市内にある15haの畑で、”お尻が見える”という意味。
畑の傾斜が険しいことから、下から見ると畑で作業をしている人のお尻が見えたことから付けられた名前。
エチケットでは、女性のお尻が丸見えになっている。
透明感のあるルビー色。
ベリーやサクランボのニュアンスと、しっかりした酸を持つ。
伝統的な造りの綺麗なピノ・ノワールだ。
人気メニュー、中国干し梅入り酢豚。
干し梅入りというより、干し梅と揚げ豚の黒酢炒めといった感じ。
とにかく干し梅の量が凄い。
二人に取り分けると、干し梅で酢豚が見えなくなってしまう。
種に果皮が張り付いているので食べるのに時間が掛かるが、この酸っぱさが癖になる美味しさ。
食べ終わったあとの皿には、大量の種が残った。
名物と言われるだけあって、美味しくインパクトのある料理だ。
金目鯛の中国醤油煮込み。
高級な金目鯛の大きな一尾が丸ごと使われている。
二人に取り分けるのは私の役割。
「目はどうする?」と聞くと、「大好きなの」と彼女。
目も一つずつ取り分ける。
上品な味付けで驚くほど美味しい。
炒飯と胡麻豆腐も食べたかったが、一皿の量が多いのでもうお腹はいっぱい。
オーナーシェフの南さんに今夜のお礼を述べ、店をあとにする。
青山通りに出ると、彼女はお腹がいっぱいなので外苑前まで歩きたいという。
今夜の料理やワインの感想を話し合いながら、歩を進める。
外苑前近くまで来ると、「そうだ、神宮前に『パーラ』があるの。ね、またあのクレープ、食べましょうよ」と彼女。
お腹がいっぱいだったのではとも思うが、南青山三丁目を左折し、キラー通りを千駄ヶ谷方面に歩く。
さすがに夜も遅くなり、『パーラ神宮前』に行列は無い。
さっきまで食べ過ぎたと言っていたのに、彼女にとってデザートは別腹なのだ。
ショット&クレープのお店なので、お酒のボトルがいっぱいぶら下がっている。
ショットグラスを下から押し付けると、ワン・ショット分がグラスに入るのだ。
私のクレープは、ビターショコラバナナ、コーヒークランチ。
リキュールが効いていて、大人の味でとても美味い。
彼女が選んだのは、ピスタチオマスカルポーネ、グリオット、バニラ蜂蜜。
何でもありのような長い名前。
「美味しい。最高級のクレープだわ」と嬉しそう。
こんなに食べたら、青山通りに戻っても、外苑前ではなく青山一丁目まで歩いた方が良さそうだ。
青山で彼女と過ごす、美味しく楽しい夜でした。