彼女と恵比寿で待ち合わせ。
車に乗り向かった先は、代官山の旧山手通りにある素敵な洋館。
彼女が行きたかった老舗イタリアン、『リストランテASO』。
旧山手通りに面した部分は、『カフェ・ミケランジェロ』。
その中を通り、リストランテのレセプションに至る。
レセプションの左右には、素敵な中庭。
パティオには、美しい花々が咲き乱れている。
通路には階段があり、ここを上ると二階のダイニングルームに出る。
今夜は、一番奥にあるメイン・ホールでディナー。
案内してくれたスタッフが彼女の椅子を引き、着席を待つ。
彼女が着席すると、私も腰を下ろす。
テーブル上の飾り皿が美しい。
『リストランテASO』に来たことを実感できる瞬間である。
アペリティフは、ドゥラモット、シャンパーニュ、ブリュット、プール・ヒラマツ。
ル・メニル・シュル・オジェ村の名門、ドゥラモットが『ひらまつ』のために造るキュヴェ。
繊細なバランスの良さは、さすがドゥラモット。
セパージュは、シャルドネ50%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ20%。
海の幸のマリネと根セロリのパンナコッタ、ホワイトバルサミコ酢のジュレとオレンジの香り。
エディブルフラワーの濃い紫が素敵なアクセント。
根セロリのパンナコッタの周りには、サーモン、イカ、ホタテ、エビのマリネ。
爽やかなシャンパーニュとの美しいハーモニー。
二本目は、ロワールのアルフォンス・メロが造る、サンセール・ブラン、ゼネラシオン、ディズ・ヌフ、2009年。
アルフォンス・メロはサンセール最大の造り手であり、500年続く名門。
現在の当主は19代目であることから、ゼネラシオン、ディズ・ヌフ(XIX=19)と名付けられている。
「ソーヴィニヨン・ブランも熟成が進むと、こんなに素晴らしいボディになるのね」と彼女。
「フレッシュなものも美味しいけど、良いソーヴィニヨン・ブランを熟成させると気品が出るね。まるで君みたいだ」と私。
「私って、そんなに熟成が進んでいるの?」
比喩が良くなかったようだ。
桜海老とフレッシュトマトのタリオリーニ、春キャベツと共に。
カリッと揚げられた桜海老の香りと食感が素晴らしい。
春キャベツは可愛い芽キャベツ。
代官山の『リストランテASO』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。