北参道の『ロクターヴ・ハヤト・コバヤシ』で彼女と過ごす素敵な夜の続き。
赤ワインを何にするか小林シェフと相談。
私はクロード・デュガのジュヴレ・シャンベルタンを選んだが、小林シェフによると2014年ヴィンテージしかなくなったので、まだ早すぎるとのこと。
そこで、クロード・デュガの子供たちが手掛けるネゴシアンのワイン、ラ・ジブリオット、ブルゴーニュ・ルージュ、2014年を選ぶ。
ラ・ジブリオットであれば2014年ヴィンテージでも、もう美味しいとのこと。
コルクの状態も良い。
このワインは何度も飲んでいるが、何時飲んでも美味い。
クロード・デュガのワインが高くなる中で、ラ・ジブリオットの存在はありがたい。
オーク樽で14か月熟成されており、新樽比率は20%。
パンは熱々の状態でオーヴンから届けられる。
パンが入った器は紙袋ではなく、陶器製。
こんなところにも小林シェフの遊び心が活きている。
パンには、エクストラ・ヴァージン・オリーヴオイル。
香ばしくて美味。
四皿目の料理は、ヤリイカ。
でも、どこにも烏賊が見えない。
黒オリーヴの粉が掛けられた白い野菜は、蕪。
この蕪の下に、真っ白なヤリイカが入っている。
五皿目は、ニューカレドニアの天使の海老。
天使の海老は好きで、輸入元が経営するシーフードレストラン、『銀座KAZAN』で食べている。
天使の海老の旨味、甘みを引き出した、素晴らしい一皿だ。
六皿目は、メインの魚料理。
魚は、ヤガラ(アカヤガラ)。
「ヤガラって、どんな魚なの?」と彼女。
「細長い棒状の魚で、体長の1/3が嘴の変わった魚だよ」と私。
「どうしてそんな事まで知っているの?」と彼女。
どうしてと言われても困るが、確かに珍しい高級魚である。
黒トリュフの下に見える白身が、ヤガラ。
合わせるソースは、菊芋のソース。
メインの魚料理が出され、ちょっと一息ついたところで、小林シェフに登場してもらおう。
「顔出しはOKですか?」と、私。
「ご一緒に写真を撮りましょう」と小林シェフ。
「いえ、私が顔出しすると読者が離れるといけないので、小林さんお一人でお願いします」
「え、私も客が来なくなると困ります」
「いえいえ、充分イケメン・シェフですよ」
ということで、写真撮影。
北参道の『ロクターヴ・ハヤト・コバヤシ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。