今夜は彼女と表参道で待ち合わせ。
向かった先は、骨董通りのピカール。
ここでフランス料理を買い込んで今夜はフレンチ・ディナー・・・、という訳ではない。
今夜の目的のお店がすぐ近くなので、フレンチの冷凍食品のお買い物もすることにしたのだ。
目的のお店は、南青山の『青山ブション・アミュゼ』。
白金台の有名フレンチ、『ジョンティ・アッシュ』の料理長、進藤佳明氏プロデュースのお店。
シェフを務めるのは、進藤氏の後輩、前田高雄氏。
お二人は六本木の『ラトリエ・ドゥ・ジョエル・ロブション』の出身である。
店内には、4人掛けのテーブルが三つと、カウンター席。
今夜は一番奥のテーブルを予約。
奥の絵が描かれた壁の一枚が化粧室のドア。
まるで隠し部屋のようで面白い。
ピカールの冷凍食品を冷凍庫に預かってもらい、席に着く。
テーブルのさらに奥には、大きなワインセラー。
今夜は料理とワイン・ペアリング・コースをお願いしている。
どんなワインに会えるか楽しみだ。
最初のワインは、シャンパーニュ。
エティエンヌ・ルフェーヴル、グラン・クリュ、レゼルヴ、カルト・ドール。
エティエンヌ・ルフェーブルは、ピノ・ノワール主体の高品質シャンパーニュ造りで定評のあるR.M.。
細かで繊細な泡立ち。
洋梨、青林檎、カシューナッツの香り、そして深い熟成感。
ピノ・ノワールの名産地、ヴェルズネイを主体に、ヴェルジーのピノをブレンド。
平均樹齢は40年で、ぶどうはリュット・レゾネで栽培されている。
セパージュは、ピノ・ノワール75%、シャルドネ25%。
シャンパーニュと楽しむ料理は、あやめ蕪のムース、蕪の葉のクーリー。
白い蕪のムースの下には、蕪の葉で作られた緑のクーリー。
蕪の香りが心地よい。
二種類目のワインは日本ワイン、鳥居平今村、菱山・樽熟成、2013年。
1877年創業の勝沼の老舗ワイナリー、シャトー勝沼(旧、今村醸造所)が130周年を迎えて立ち上げた新たなブランドが、鳥居平今村(Toriivilla Imamura)。
日本のモンラッシェと称される鳥居平に隣接する、菱山の畑の甲州を使用。
日本のワインは本当に美味しくなったと感じさせてくれる。
ほのかに樽香を感じるが、30%をフレンチオークの樽で18ヶ月熟成させているそうだ。
雲子のムニエル、林檎、松の実の焦がしバターソース、里芋と春菊のガレットに乗せ、黄柚子を香らせて。
真鱈の白子が甘くとろける美味さ。
三種類目のワインは、ブルゴーニュの赤。
ドメーヌ・ド・ビュイロンが造る、コトー・ブルギニョン、キュヴェ・アロブロジカ、2014年。
ボジョレー地区の南端にあるドメーヌである。
自然な果実香を持つ、綺麗なミディアム・ボディ。
ぶどうは有機栽培されており、セパージュはピノ・ノワール90%、ガメイ10%。
赤ワインに合わせる料理はブルゴーニュの郷土料理、ウッフ・アン・ムレット、アミュゼ・スタイル。
ウッフは卵、ムレットは赤ワインソース煮込み。
つまりこの料理はポーチドエッグの赤ワインソース煮込みで、ブルゴーニュの赤ワインに良く合う。
南青山の『青山ブション・アミュゼ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。