東京にはオーナーシェフが個人で経営する美味しいビストロがいっぱいある。
彼女と、そんなビストロのひとつに行ってみようということにした。
秋葉原で待ち合わせ、店に向かう。
神田明神下交差点から少し歩くと、目的のお店、『ビストロ・ヌー』に着く。
店は外階段で上る二階。
礒貝喜夫シェフが2011年に開いたビストロ。
店の開店時間に一番乗りし、窓際の落ち着けるテーブルを確保。
人気のあるお店で、1時間後には常連さんで満席となった。
「こんな個人経営の小さなビストロは好きだわ。どんな料理か楽しみね」と彼女の第一印象は好い。
黒板に書かれた今夜のお薦めメニューを検討しながら、白ワインを抜栓。
選んだワインは、コート・ド・デュラスのドメーヌ・デュ・プティ・マルロメ、2011年。
コート・ド・デュラスは、スッド・ウエストに分類されるが、ドルドーニュ川の上流にありボルドーのアントル・ドゥ・メールと接しているため、オー・ボルドーと呼ばれている。
ぶどうは、ソーヴィニヨン・ブラン。
色合いはとても濃い。
リンゴやパイナップルの甘い香りを持つ、濃厚な辛口。
「白を飲む限りではワインの品揃えは良いみたい。知らないワインばかりだから、赤も貴方が選んでね」と彼女。
でも、私にとってもほとんどが知らないワイン。
特に、ローヌやラングドック・ルーション、スッド・ウエストが多いので余計に選択が難しくなる。
温められたパンにパテを付けて食べると美味い。
何のパテなのかは聞き忘れ。
最初の皿は、広島産生牡蠣。
広島産はもっと小振りと思っていたが、この牡蠣はとても大きい。
彼女は、一口で食べるべきか二つに切って食べるべきか迷っている。
そんな様子がとても可愛い。
グリーンサラダは、色合いが綺麗。
黒の陶板とのコントラストが素敵だ。
取り皿が小さいので、取り分けに苦労。
何とか盛り付けに成功。
テーブルが小さいので、取り皿を大きくできないのだそうだ。
前菜は、本日の鮮魚のカルパッチョ。
今夜の魚は、黒ソイ。
黒ソイは、メバル科の磯魚。
これは小さな取り皿でも問題ない
でも、大皿を彩る黒と赤の魚卵を盛り付けるのには苦労。
身から判断するに、結構大物の黒ソイ。
大物の黒ソイのカルパッチョは本当に美味い。
末広町の『ビストロ・ヌー』で彼女と過ごす楽しい夜は続きます。