今夜は、西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』で開催される特別な食事会に彼女と共に参加。
外はもう暗いが、白亜の一軒家レストランのエントランスは明るく輝いている。
今夜の食事会は高知県とのコラボによる、高知の食材を用いた一夜限りの催しなのだ。
三階のメインダイニングの前には、坂本龍馬の像のレプリカ。
銀座にある高知県のアンテナショップの協力を得て、メインダイニングでは高知県のPRヴィデオも流されている。
驚いたことに、広いダイニングルームの全ての席にテーブルセッティングがされている。
今夜は満席なのだそうだ。
何時ものテーブルに案内され、腰を下ろす。
今夜の料理とワインのメニューを見ながら、彼女と評論を行う。
食事前の楽しいひと時。
ソムリエの佐々木さんが現れ、アペリティフを届けてくれる。
高知県北川村産柚子のシロップを、ヴーヴ・アンバルのクレマン・ド・ブルゴーニュ、ミレジム、2014年で割ったカクテル。
食事前の一杯は本当に美味しい。
会が始まり、シャンパーニュが注がれる。
ドゥラモット、ブリュット、セレクション・プール・ヒラマツ。
ドゥラモットが『ひらまつ』のために造る、特別なキュヴェ。
冷えた辛口のシャンパーニュが美味い。
「美味しい。でも、食事前にこんなにガブガブ飲んでると酔っちゃうわね」と彼女。
そう言いながら、彼女が飲んでいるグラスは確か三杯目。
色鮮やかな、三種のアミューズ。
季節感があって美しい。
おかざき農園のフルーツトマト、焼き土佐茄子の詰め物、イベリコベーコン。
左側のトマトは生、右側は湯通しされている。
しっとりと仕上げた土佐鴨、茗荷と黄柚子のサラダ仕立て。
高知県は、柚子の生産量日本一なのだそうだ。
高知県産戻り鰹の炙り焼き、花穂紫蘇の香り。
高知直送の鰹を、藁を燃やして炙って調理している。
ドゥ・ラドゥセットが造る、プイィ・フュメ、2009年。
ドゥ・ラドゥセットは1787年に起源を持つ名門。
ラドゥセット男爵が率いるドメーヌは、ロワール地方最大の造り手で、プイィ・フュメの過半の生産量を誇る。
2009年ヴィンテージなので熟成が進み、豊かな果実香を持ちながら複雑で重層的なボディ。
綺麗な酸を持ち、ミネラルとのバランスが良い。
「やっぱりラドゥセットは美味しいわね」と彼女。
彼女はラドゥセットの最高峰、バロン・ド・L(エル)が大好きなのだ。
そう言えば持っていたバロン・ド・Lはパークホテル東京に持ち込んで、彼女と一緒に飲んでしまった。
忘れないように買い足しておこうと思う。
前菜は、宇佐漁港で水揚げされたうるめ鰯と土佐米と小さな野菜のタブレ、爽やかなバジルのアクセント。
好きな食材の鰯が素敵なフレンチになって、美味い。
西麻布の『キャーヴ・ド・ひらまつ』で彼女と過ごす素敵な夜は続きます。