
白金台の『ザ・テンダー・ハウス』で彼女と過ごすシャンパーニュな夜の続き。
シャンパーニュのボトルは二本目に突入。
シャルル・ド・カサノヴ、ブリュットは二人の好みなので、どんどんグラスが進んでしまう。
「ね、今夜は酔っても好いかい?」と私。
「どんなに飲んでも貴方が酔ったのを見たことが無いわ」と彼女。
「今夜はカサノヴと君に酔って、乱れてしまいそうな予感がする」と私。
「じゃ、もうシャンパーニュは止めたら?」とつれなく彼女。

私たちの会話をお店の方が聞いていたのかどうか知らないが、急に照明が落とされ薄暗くなった。
先ほどまで明るかった店内。

それがこんなに薄暗くなり、オープンキッチンが浮かび上がって見える。
「暗くなっても、君は輝いているよ」
「本当に今夜は酔ったみたいね」

確かにシャンパーニュ2本は飲み過ぎ。
そこで、グラスで白を出してもらう。
ソル・デル・スール、ソーヴィニヨン・ブラン、2015年。
初めて見るチリのワインだ。
部屋が薄暗くなったので、上手く撮影ができない。

淡い乾し草色。
パイナップルやグレープフルーツの香り。
ちょっと果実味は薄いが、冷やして気軽に飲むには手ごろ感がある。
でも、1杯飲めば充分。

ついでにグラスの赤も飲んでみる。
同じ銘柄のワインだ。
ソル・デル・スール、カベルネ・ソーヴィニヨン、2015年。
カベルネの風味は持っているが、肉料理に合わせて飲むには力不足。
これも1杯飲めばもう充分。

メイン料理が運ばれてきた。
シュラスコの飾り付け方が豪快。
ゲスト・サービスの方が串を抜こうとするのを制して、写真撮影。
露出を最大にしてみると、何とか見える画質になった。
串を刺して支えているのは、大きなパイナップル。

「パイナップルも一緒にお召し上がりください」とのこと。
串を抜かれた肉や野菜がどっさり重なり、食欲をそそる。

グレイビー・ソースとタスマニア産粒マスタード。
タスマニアのマスタードは粒が大きく、食感がとても良い。

これも私が二人の皿に取り分ける。
取り分けるというより、どの肉も1個ずつなので、切り分けるといった感じ。
エビは2匹入っている。
良く焼かれているので、脳みそまでバリバリと食べることが出来る。

シュラスコのお供は、カイピリーニャ。
カシャッサ(ピンガ)とライムジュース、砂糖とクラッシュド・アイスで作るブラジルのカクテル。
フレッシュ・ライムがいっぱい入っているのが嬉しい。
ここのカイピリーニャは甘過ぎず美味い。
ゲスト・サービスの方に、「最近飲んだカイピリーニャの中で一番美味しい」とバーテンダーに伝えてくれるように頼む。
「貴方って本当にマメね。だからいろんなお店で顔が利くのね」と彼女。
きっと褒められているのだと酔った頭で思う。

〆の料理は、パスタ。
メインのあとにパスタと言うのは面白い。
ブラジルでは料理の順番はどうだっただろうと考えるが、思い出せない。

デザートが届いた。
お腹はいっぱいなのに、結構量がある。
でも、彼女は「おいしそう」と言ってさっさと食べ始める。

食べれば美味しく食べれてしまうのが、デザートの恐ろしいところ。
このタピオカのアイスクリームはなかなか美味い。

頼んだホット・コーヒーが届く。
「これはお店からのサービスでございます」とのこと。
「バーテンダーさんがカイピリーニャが美味しいと言われて嬉しかったみたい。やっぱりマメって得なのね」と彼女が微笑む。

「僕が一番マメなのは君に対してなんだけど・・・」という言葉は発せずに飲み込む。
次回はこのバーカウンターで食事をしても楽しそうだ。
彼女と過ごす白金台の『ザ・テンダー・ハウス』での素敵な夜は、静かに更けていきました。