
東麻布の『オステリア・スゲロ』で彼女と過ごす楽しい夜の続き。
赤ワインは、以前から飲みたいと思っていた造り手のものを注文。
数年前に西麻布の『リストランテ・タニーチャ』(現在は虎ノ門)で飲んだドレイ・ドナのグラフ・ノワールがとても美味しく、もう一度飲みたいと思いながら、なかなか見付けられずにいた。
今夜のワインは、グラフ・ノワールのセカンドと言えるワイン。
ドレイ・ドナ、テヌータ・ラ・パラッツァ、ノットゥルノ、2013年。

ドレイ・ドナ家は元々高品質のサンジョヴェーゼ畑を保有していたが、クラウディオがワイン造りに進出したのは1980年代。
サンジョヴェーゼの醸造家として有名なフランコ・ベルナベイをコンサルタントとして迎え、高品質のワイン造りを始めた。
今は息子のエンリコが引き継ぎ、イタリア・ワイン界の次世代を担う人材と目されている。
ドレイ・ドナのワインは全て先代の妻(現当主の母)が飼っている馬の名前。
ノットゥルノは夜、グラフ・ノワールは黒い伯爵の意味。
ノットゥルノはサンジョヴェーゼ100%で、果実味、酸、ミネラルのバランスが良い素晴らしいボディをしている。

フォアグラのソテー、ハチミツソース。
フォアグラの下に添えられているのは、サツマイモ。
濃厚なフォアグラに、蜂蜜の甘さがマッチして美味い。

熱々のパンが届く。
このパンをちぎり、フォアグラの脂とソースを掬って食べる。

パスタは、手打ちのタリオリーニ。
百合根のシャキシャキした食感が新鮮。
シェフに聞いてみると、食感を残すために茹でないで使っているとのこと。

メインは、ブランド豚のソテー。
ブランド名は忘れてしまったが、旨味がぎゅっと詰まった肉質をしている。
一皿の料理の量がしっかりあるので、お腹は満杯。

デザートは、濃厚チーズケーキ。
本当にとても濃厚で美味い。
お腹がいっぱいと言いながら、彼女は難なく食べてしまった。
どうしてこんなにスマートでいられるのだろうと、食事の度に不思議に思う。

〆はコーヒー。
佐志原シェフを交え、三人で料理やワインの話に花が咲く。
シェフとこんなにお話しできるのは、個人経営の小さなお店の良いところ。

この方が、佐志原佑樹シェフ。
なかなかハンサムで、雰囲気のあるシェフだ。
物腰が柔らかく、ワインや料理の質問にも実に丁寧に答えてくれる。
シェフ、次は11月に恵比寿の新しいお店に伺います。

店を出ると、東京タワーが美しく輝いている。
「ね、ちょっと歩きましょうよ」と彼女。
酔い冷ましには、気持ちの良い夜だ。

赤羽橋から芝公園に至り、公園内を散策。
楽しい食事のあとの、二人で過ごすこんな時間が好きだ。
東麻布と芝公園の、ゆったりと素敵な夜でした。